砂糖菓子の恋人たち
□強気なんだね、いつだって
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ここ、どこだっけ?
…夢の中かな……
体が熱い。
喉が乾いた。
張り付いてしまったような瞼をあける。
瞳を開けば、
あのときより幾分か伸びた赤い髪が目に入る。
『(そうか、あれは中学時代の夢か…)』
まだ、皆で帝光中にいた頃の。
私の学力はあの時とは比べものにならないくらい上がっていて、
今は京都にある洛山高校に通うまでになった。
赤い髪の持ち主は、
ずっとみててくれたのか
静かに寝息をたてている。
わずかに頭を撫でる。
可愛い声が聞こえた、が
狸寝入りだったらどうしようと思い、
手をはなした。
ただ彼は、純粋に疲れているだけのようだ。
動く気配はない。
私はもう一度眠りについた。
なんだか、あの夢の続きをみられるような気がした。
ー強気なんだね、いつだってー
(おやすみなさい、よい夢を)
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