蒼ノ月

□2.悪夢の始まり
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時刻は5時半の十分前。

そして俺、天宮蒼の横には綺麗に片付いてしまった日番谷隊長の書類。


日番谷隊長は灰沢のパーティーに出席してもらうため
良い奴を装って仕事を奪い取った

それだけじゃ足りないだろうと思い、
ソファーの横の棚からも未処理の書類を発見した。



…なのに。



「なんで全部終わらせたんだ、俺…!」



俺が片付けた書類は、それはもう輝くぐらいにきっちり綺麗に積まれていた

今日ばっかりは恨むぜ自分の事務処理能力…!



はぁ、と重い溜め息をついて机に突っ伏した

 



このままずっと霊圧消してここに居とけばバレないんじゃないのか




…そう思ったけど人生上手くはいかないもんだ。




「あれっ蒼、アンタまだ残ってたの?
樹里がアンタを待ってたわよ?」



そう言うアナタは何処行ってたんですか。


仕事をほっぽりだした乱菊さんにそう言いたかったが
そんな気力も気分も無い。


とりあえず身体は拒否反応を出してるのは確かだ





乱菊さんも、あいつ、灰沢の一味と言っても良い存在。いや一派か。


あいつが表面上仲良くしてるだけのことに
全く気付いてない馬鹿な副隊長。

副隊長補佐の奴である俺はつくづく運がついてない


ロクに仕事はしないし、灰沢ごときの裏の顔すら見抜けない

すっかりあいつの作った外面に騙されてる




…ホント最近の護廷隊は生ぬるい。

何時からこうなった?


易々と旅禍に侵入され、終いには隊長格の裏切り。

この一大事に俺たちは零番隊として干渉することが出来なかった



一言で理由を言えば四十六室が全滅してたし




「いや…日番谷隊長の残ってた仕事をしようと思いまして。
乱菊さんこそどうしたんです?」


「あたしは樹里に頼まれてアンタを呼びに来たのよ。
ほら、行くわよ!」

 


有無を言わさずに乱菊さんが俺の腕を組んで歩き出す


ぶっちゃけ簡単に剥がすことは出来るんだけど
一応俺は紳士で通ってるしそんな浅はかなことは出来ない
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