隔離部屋

□4万hit イチノセさんへ
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異物は異物同士で の続き
相変わらず異種姦です
かなり特殊な夢なのでご注意ください


































気がつくと名前は見慣れない場所にいた。どこかの屋内で、自分は今ベッドの上にいるということはわかる。しかし逆を言うならそれしかわからない。一体何が起きたというんだと体を起こすと。体の色々な場所が痛んだ


びりっ、とした痛みが手の平と足あたりに走る。こけてコンクリートなどで擦ってしまったような痛みだ。手のひらを持ち上げると皮が剥けているのが分かった。血は滲んでいない。そこまで深い傷ではないようだ。気休めに傷口に舌を這わす。鉄臭い。血が出ていないのになぜ鉄臭い? そう思ったのと同時に何が起こったのかを名前は思い出した



「……くそがっ」



盛大に舌打ちをする。腹いせにベッドに踵を勢いよく落とす。ボスッ、という音がなった。股関節と太ももの内側が痛んだ。無理な体勢を取らされたことによる筋肉痛の痛みだ


背中が寒い。当たり前だ。背中を覆っているはずの服が切られたのだから。


まだ腹の中に何かが入っているかのような違和感がある。当然だ。あれほど好き放題出し入れされたのだから


体中が痛い。もっともだ。普段動かないのにいきなり走ったり、あんな行為を長時間強いられたりしたのだから




名前は化け物に襲われ、犯された。途中から記憶は曖昧だが、見知らぬ場所にいるということは恐らく連れ去られたのだろう。ここはあの化け物の根城なのだ



よほど人間を犯す感覚がお気に召したらしい。どうせなら自分以外の相手でやってほしいものだった



ずず、と酷く重いものを引きずるような音がする。音の方を見ると壁と思っていた場所が動いていた。どうやらそこから出入りすることが出来るようだった。先ほど窓を見つけたが、はめ込み式のようで開けることは出来なさそうだった。自力で脱出することはできない場所のようだ


ゆらり、と風に吹かれた木の葉のような重力を無視した動きでそれが入ってくる。ふわふわと雲のようにコートのすそがゆらめく。見覚えのある化け物だ。1回しか会っていないというのに記憶に鮮明に刻まれている。それほど衝撃的なファーストコンタクトだった。

入ってきたのは名前を犯した化け物、刈り取る者だった





刈り取る者がドアから手を離す。何とも重そうな音を立ててドアが閉まった。どう考えても名前では、否。人では開けられないような重さが窺える音だった


スケートリンクを滑るスケート選手のように刈り取る者は名前に近づいてくる。ベッド近くの床に武器を投げ捨てた。重さで床が少しへこむ。人が扱えるような武器ではない


刈り取る者は名前の肩に手をかけ、名前を押した。力に逆らわずに名前は再びベッドの上に横たわる。抵抗しても無駄だからだ。覆いかぶさるように刈り取る者が動く。ふわり、と刈り取る者のコートの裾が名前の足にかかった。名前が口を開く



「お腹が空いたわ」



刈り取る者が名前の服にかけた手をピタリと止める。ゆっくりとその頭部が名前の方を向いた。目があるようには見えない。しかし不思議と目があっているような感覚がするのだった



「お腹が空いたって言ったのよ。喉も乾いたわ。あんたが好きかってしてくれたおかげでね」



なんとも高圧的に名前が口を開く。主導権を握っているのはどう考えても刈り取る者だ。なのにその言い分はまるで名前の方が上位者のようだ。刈り取る者は動かない。じっと名前を見つめている



「あんたは知らないかもしれないけど人間って脆いのよ。飲まず食わずだったらすぐ死ぬわ。私を長い間犯したいなら今すぐ食事を調達してきなさいよ」



刈り取る者は動かない。名前はそれだけ言うと口を閉じた。そのままの体勢で刈り取る者を睨みつける



さて、これでこいつはどう出る?


名前は刈り取る者をじっと睨みつけた
時計がないのでどれくらい時間が経ったのかはわからない。だが、唐突に刈り取る者がベッドから降りた。そのままドアに近づき、外に出ていく。刈り取る者がドアから手を離した瞬間すぐにドアが完全に閉まり、たっぷり10秒数えた後、名前は大きく息を吐いた。どうやらただの獣じみた化け物ではないらしい
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