隔離部屋

□傷物にした理由
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「いっ、たいん、だけど……?」


「だってずるいじゃないですか」



名前の言葉にどこかずれたことを宗三は言う。その顔は暗くてよく見えない



「僕はこんなにも傷だらけなのに、主の体は傷一つない。あなたばかり綺麗でずるいじゃないですか」


「それは……」


「せめてこのくらいの傷くらい、享受してくださいよ」



宗三の言葉は名前の後ろ暗いところを突き刺した。


刀剣男子たちの主といっても実際に戦いに出ていくことは無い。常に安全な本丸にいて、いわばお飾りと同じだった。


開き直っていたつもりだったが、それでもどこか、開き直れていない部分があった。そこを宗三に気がつかれたと名前は思った。ふんぞり返っているだけの無能と言われて気がした。だらり、と名前の体から抵抗しようと入れていた力が抜ける。大人しくなった名前の胸を、宗三の爪がなぞっていった。
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