隔離部屋

□物置の奥で
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「ただいまー」



のそのそと自室を目指して歩いていく。



歌仙が今の自分を見たら そんな歩き方雅じゃない! と叫びそうだな。でも会わなきゃ問題ない



近道をするために普段使わない道を使う。あと少し頑張ればこの窮屈な服を脱げる。そう思っていた時だった。




「ひっ、冷たっ!?」



「げっ、なしておんしゃーがそこにおるがか!?」




ばしゃりと水が盛大にひっかけられる。一度にたくさん水を汲めるようにと大きな柄杓に最近新調したのが裏目に出た。水をこの上なく吸った着物がべったり体に張り付く。高い位置で一つにくくった髪からぽたぽたと滴がしたたった。




疲れた主にこの仕打ちとはいい度胸じゃねえか……




ひくひくと名前の口角が引きつった。陸奥守もそんな名前の様子を目の当たりにしてやばい! と言いたげに口元に手を当てていた。



名前が使おうとした近道が畑のすぐだったが故の不運だった。
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