隔離部屋

□4万hit イチノセさんへ
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強すぎる快楽は人を殺しかねないと名前は初めて知った。何も考えられなくなって今自分がどうなっているかすらも曖昧になってくる。快楽という金やすりで理性をがりがりと削られていっている。再び犯され始めてどれくらい時間が経ったのかすら分からない。何かを考えようとするたびに押し寄せる快楽に押しつぶされる


何度達した? 何度出された? 何度出し入れされた? 何度こいつと交わった?

 
快楽を少しでも逃がすために上げている嬌声が掠れている。喉が痛い。もうそろそろ勘弁してほしいと泣いてすがってしまいそうだ。いや、記憶に残っていないだけでもうやっているかもしれない


世界がぼやける。いつのまに眼鏡が外れていたのかももう覚えていない。一際強く快楽の極みに押し上げられたと同時に名前は意識を飛ばした














この上なくだるい体だった。体の節々がピキピキと痛む。泥のように眠るとはまさにこのことだった。目をあけ、なんとか重たい腕を動かして枕の周囲を探る。何度か往復させて見つけた眼鏡をかける。


あたりを見渡して、ため息をついた。夢ではない。あの出来事は実際にあった事だと周りの景色がつきつける。何度目か分からない小さな落胆をする。深く考えるとドツボにはまるので思考をそこで切った。


ごろり、と再びベッドに横になる。刈り取る者はいつも名前の体力を無視して犯すから途中で記憶がふっとび、その後気絶してしまう。




ずずず、と重低音が響く。あいつが戻ってきた音だ。手にはコンビニ帰りの若者のように白いビニール袋が下げられている。名前の食事だ。ドアが閉まる。がさり、とビニールがこすれ合う音だけを小さく立てながら近づいてくる。


刈り取る者を見ていると名前の腹の奥がきゅう、と収縮した。つぅ、とパブロフの犬のように足の間から少し涎が垂れる。こくり、と唾液を小さく飲みこみ、刈り取る者が持ってきた食事に手をつけた
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