隔離部屋

□Ib 裏END 逃避
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*ギャリー、イヴ、メアリーといて、<赤い目>の部屋を出たところ

連載のIF ハッピーエンドじゃないです
ギャリーさんがイヴとメアリーを見捨てます
そんなギャリーさんでも構わない方はこのままどうぞ








部屋から出て、メアリーが止まった。それに習うようにギャリー達も止まる。何かあったのか、とメアリーの視線の先を辿るとなにも描いて無い絵が入った額縁があった。
魅いられたようになにも書いて無い絵を見ていたメアリー。どうしたのかとギャリーが声をかけようとしたとき、メアリーがポツリと言った。


「……くる」
「え?」
「絵の中からなにかくる!」


みんながメアリーの言葉にギョッとした。
よくよく見るとなにもなかったはずの絵にポツリと何かの染みのようなものが出来ていた。ザカザカザカというなにかが生け垣を掻き分けるような音と共に、その染みは瞬く間に大きくなって額縁いっぱいまで巨大化した。
いや、額縁の外にまでそれは乗り出していた。
ギョロリと一つだけついた目玉がこちらを見る。
赤い薔薇がこちらを見ていた。


「っ危ない!」


メアリーの言葉に反応する前に名前の視界は回った。
ドサリとなにかにぶつかったため反射的に目を瞑る。


「ちょっと名前大丈夫?!
イヴもメアリーも無事?!」
「・・・だ、大丈夫」
「わたしも平気だよ」


名前の腕をギャリーが引っ張ったのだ。勢いよく引きすぎたせいで尻もちをついたギャリーに名前がもたれ掛かっているような体制になっている。
普段なら恥ずかしがったりする体制だが今の精神状態だと人肌がひどく心地よかった。それはギャリーも名前も一緒だった。


イヴとメアリーの無事を確認してからギャリーが立ち上がる。
名前も立ち上がり目の前のものに触れた。
巨大な茨が四人を分断していた。
どうにかできないか、と茨を触ったギャリーが目を見開く。


「何よこれ。……石で出来てるわ、この茨?!」
「ホントだ……」


これじゃぁライターで燃やすこともできないわ。
さすがのギャリーでも石のオブジェを壊すことは出来ない。それ故に言った言葉だったがその言葉を言ってはいけなかった。
ギャリーの言葉を聞いたメアリーの目から光が消える。
だがそのことに誰も気づけなかった。




美術館での火器の持ち込みはご遠慮ください。万が一それを係員が見つけた場合


『命を持って、償わせていただきます』
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