隔離部屋

□外見詐欺
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審神者はこの事態を収めるまで帰れない
収めたと判断する明確な基準はない
つまり実質的にはずっと帰れない
審神者になるには先天性の才能が必要
なので才能があると分かったら強制的に放りこまれる
幼かろうと老いていようとお構いなし
帰りたくても帰れない




それでも構わないという方のみ お進みください














「ただいまー」



遠征から帰ってきた薬研が本丸の入り口から声をかけるが誰もやってこない。


おや? と薬研は首をひねる。いつもならただいまを言うや否や兄弟がやってくるというのに誰もいない。それどころか足音すら聞こえない。



「……ってそういや今、大将以外誰もいねえのか」



うっかり忘れていて挨拶をしたのをごまかすように遠征で手に入れた資材を持ってない方の手を後頭部に当てる。


今では刀剣男子の本数も多く、遠征と出陣を同時に行なっても誰かしらがいた。だがつい先日、遠征で組むことが出来る隊数を全て解放したため、今本丸に誰も控えていないのだ



とりあえず手に入れた資材を大将に渡しに行くか



そう結論付けて薬研は歩き出した。


審神者の部屋は本丸の一番奥だ。万が一にも敵に攻め込まれた時に時間を稼ぐためだが、そのため審神者が出迎えに来てくれたことはない。刀剣男子ほど五感が発達していないため、誰かが帰ってきても気が付けないのだ。
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