隔離部屋
□物置の奥で
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ぼーっとしつつ歩いている名前にも落ち度はあっただろう。しかしそうであったとしてもこの状況はないんじゃないかと名前は思うわけだ。
名前は今、下が透けるほどぐっしょりと濡れた着物をまとったまま陸奥守に抱きしめられ、物置として使用している狭い部屋にいた。部屋から出ようにも出入り口付近には短刀たちがいるらしく、このまま出ていったら確実に誤解を受ける。出ようにも出られなかった。
今日はここら周辺一帯の審神者を集めて現状がどうなっているかを報告し合う会議の日だった。そのため未だに着慣れない、かつ動きにくい審神者の正装をして会場にえっちらおっちら歩いていったのだ。報告会事態はサクサク終わってストレスはあまりなかった。ここで会議を長々とするよりも現場で指揮をとる方がいいと分かっているのだ。
審神者たちはみんな白を基調とした正装をしていて、会食でカレーうどんなんか食べたら非難ごうごうだろうなと思った。でもやっぱり生まれてからずっと着ていた洋装の方が慣れてるし、早く帰って着替えたかった。