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□忙しい君に(細谷)
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私の彼は人気声優様。
その名も細谷佳正さん。
いつもふわふわしている彼だけど、お仕事になると人が変わったかの様に凛々しくなる。
最近はお仕事が沢山入ってきて、あまり休みの日がない。
きっと彼のことだから、人に疲れを感じさせないように振る舞っているだろう。
そして、今日があまりない休日。
私は彼をゆっくりさせてあげようと、彼の家に向かった。
ピンポーン……
何度来てもこの時はすごく緊張する。
細「はーい」
彼の声の後にドアが開く。
ガチャッ
「佳正っ!」
細「詢!どうしたの?」
「今日は佳正の久しぶりのお休みでしょ?だから、ゆっくりさせてあげようと思ってっ」
細「ありがとう!あ、上がって?」
「お邪魔しまーす」
通された部屋はすこし散らかっていた。
忙しくて、掃除をする暇がないのだろう。
そして案の定、机の上には台本の数々が。
「休日なのにお仕事してたの?」
細「うん、台本チェックがなかなか終わらなくて…」
彼は苦笑いしながら答えた。
部屋に掛かっている時計を見ると、お昼過ぎ。
「お昼ご飯は食べた?」
細「え?もうそんな時間なの?」
通りでお腹空いた訳だ…と彼は笑った。
「だろうと思ってお弁当作ってきた!とりあえずお昼食べてっ」
細「はーい」