短いお話(かいたもの
□想いのシズク
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ジェラエル
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(本当は
(誰よりも
(キミを
愛してる
心の中ではいくらでも言えた。
だけど俺は彼女を愛してはいけない、想いを伝えてはいけない。
ただ、
幸せになってくれと・・・・・。
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「エルザ・・・」
「なんだ?ジェラ―ル」
「!!」
一人夜の公園で居たはず・・・だ・・・。
いや、まさかよりによって・・・・・
「しかし、さすがだな。私が来ていたことに気付いていたなんて」
あっそうだ!彼女はとても鈍感で・・・・・・嬉しいような、悲しいような・・・・。
と、とりあえず話を合わせるか・・・。
「・・・エルザはこの空を見てどう思う?」
「空?」
エルザが俺の隣に座る。
その時、風がびゅうっと吹いた。
その風に乗せられてスカーレット色の髪が俺の手元に・・・・・
「・・・?・・ジェラ―ル・・・??」
「えっ・・・」
思わず両手でつかんだその髪。
まるで、あの時と同じ体勢で・・・・・
「・・・綺麗だな・・・ずっと変わらず・・」
「ん?空がか?」
「いや、エルザの髪が・・」
「っ///は、話が変わってるぞっっ」
頬をうっすらと染め、こちらを睨んでくる・・・てれ隠しも変わらない。
俺も・・そうだといいが・・・・・。
持っていた髪をゆっくり離す。その時空から一滴の雫が・・。
「うわっ急にっ・・」
雫はだんだん仲間と集まり沢山の攻撃を仕掛けてくる。
「ほらっ、ジェラ―ル!早く行くぞっ!!」
「あ、ああ」
差し出された手、本当にとっていいのか悩んでいるとギュッと掴まれて、そのまま・・・。
俺が不幸にした皆さん本当にすみません。
本当はいけないこと分かってるんです。
分かってるけど、今はこの手を解きたくありません。
今、『ミストガン』としてエルザのそばに居るのに、エルザに名前を呼ばれる度、俺はこんな調子で。
前に見えるスカーレットと上空の曇り空を交互に見つめてため息をつく。
頬を流れる何かを気付かれないように、俺の気持ちが届かないように、けれどもしっかりと自分の想い人を見つめて、
ゆっくりと温かい彼女の手を握り返した。