禁断に愛を(書いたもの

□1、禁断の始まり『心の本』
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1、禁断の始まり『心の本』
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始まりの予告はある『本』から始まった。
ナツ達の目的とはまた別の計画。
その計画を始めたのは一人の男性。
もっともナツ達に近くもっとも遠い人物だった。・・・・・・・









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バンっどしゃっ

朝から人々の悲鳴があちこちで響く。
最近、この国と仲の悪い国が戦争を起こした。
しかし、戦いの出来る男を集める余裕もなく政府は逃げ出した。
相手の国はやりたい放題で、毎日、毎日この国の民を殺しに来る。
だからだろうか?
誰も他人を助けようとはしないし、自分を守れればそれでいいと思ってしまっている。

まぁ、だからこそナツ達は名字を変えたのだ、他人と言えど大切な『命』なのだと教えるため。
ミラ達が名字を変えなかったのは家族の尊さを教えるため。
ナツ達が助け合いをすれば、それはほかの人の目にとまり、これ以上死者が出なくなるかも知れないからだ。
その事をのぞんでの決心。
少しは影響があったようで最近ではあまり血を見なくなった。

現在の時刻、6時30分、ナツの炎が敵国の軍の銃を溶かしてしまった。
あーあ、お偉いさんがやってくる・・・・・。

「やっべ!やりすぎたっっ」
「やりすぎたっっじゃねぇだろうが!!!!たくっ」

急いでグレイが氷で固めようとするが固まったのは、軍人の方で・・・・・・。

「お前の方がダメだろまぬけ氷やろう!!」
「ンだと、てめぇに言われたくねぇんだよクソ炎っっ!!!」

その後ろではハートマークをだすジュビア。
「あぁっナツさんと喧嘩するグレイ様もす・て・き♡」
今日も建物の蔭からグレイを見つめる。
「・・・たくっ」
そういってあきれ顔なのはルーシィ。
その隣には何やら話をしているハッピーとシャルルとリリー。

これらはいつもの風景で普段している事、だから何の問題もなかった・・・は・・・ず・・。
ん、?いつもの風景?いや、違う。幼馴染であるレビィの所にエルザ達が集まっているのだ!
いやな予感が・・・・・。


「ね?すごいでしょ!この『心の本』って!!」
「・・・どこらへんがそんなに凄いんだ?」
「えぇ!!エルザ分かんないの!?ガジルは分かってくれるよね?」
「・・・いや、わかんねぇ「ひどいっっ!!」

レビィが手にしているのは表紙に『心の本』と書かれた一冊の本。
先日敵国の軍人を倒した時にその軍人が持っていたものらしい。
そいつは国家に多くのかかわりがあった人物の為、何かあるのではないか?と持って帰ってきたのだ。

「で?中身には何がのってんだい?」
酒を片手にたずねるカナ。よくもまぁ朝からそんなにがぶがぶ飲めるものだ・・・。
「なんかね、『この計画はわれらの生に関わるものだ。決して他人に触れぬように・・・』からはじまって・・・・「ちょっとまて、それは凄い文章じゃないか!!」でしょ!って、へっ?文章??」
エルザがレビィの本を食い入るように見はじめる。

「これは・・・・」

その瞬間この家を中心とする国全体が光に包まれた。
ただ、それは一瞬の事で気付いたのはエルザとミラだけで・・・。
「い、今のは・・・」
「エルザもみえたの?」
「!!・・ミラもか・・・」
「え?二人とも何の話?」
「見えなかったのか?」
まさか、これがあんな事件の始まりだなんてエルザもミラも思ってなどいなかった。
このことが禁断の始まりになるなんて・・・・。



この時別の場所で一人の男性は深いため息をついた。
「俺のあの時の計画・・まだ処理をしていなかったか・・・・・やはりあの本は早めにこの世から消し去るべきだった・・・・・・これでは、人々の想いが溢れかえってしまう・・・・・」
男性はもう一度深いため息をついた。





一話END


次回予告
人々は想いを押さえきれず、奪い合い、傷つけあい・・・それはナツ達にも降りかかってきた。

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