禁断に愛を(書いたもの

□2、止まらない歯車
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2、止まらない歯車
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『生』とは止まらぬもの、そのまま進み続けるものだ。
『死』とは止まり、されど、もう一度『生』に向かって歩き出すものだ。
ならば、それらの想いはどうなのだろう。
誰かを想い、誰かに想われ、だからこそ『価値』がうまれるのだろうか?だからこそ生きるのだろうか?死すのだろうか?
わからぬのならば、一度体験するがよい。

そう、『心の本』には書かれていた。







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「なんか、様子おかしくね?」
「うん・・・なんかみんな変だよ・・・」
エルザ達いわく本から光が溢れてはや、三日。
なぜか、敵軍は来なくなりはっきり言って平和だ。
しかし、ナツとルーシィが話していたように、国中がおかしいのだ。
正確には国全土を見たわけではないが、どことなくおかしいような、そんな感じがするのだ。
もちろん、それはこの家族にも当てはまるわけで・・・・・。
「グレイ様に近づくあの女許すまじっ」
「シャルル〜ねぇってばぁ〜」
「ガ、ガジルっあのね?・・えっ・・・と・・・」
普段は建物の蔭から見つめているジュビアが積極的になったり。
いつも以上にハッピーがうるさかったり。
レビィが告白をしようとしていたり・・・・・。
とにかく、いつも以上にアピールしているようなそんな感じだった。
「やっぱり・・・あの本のせいなのかしら?」
「そうだろう・・・・もしかしたら性格まで操られるかもしれない、あの本を調べるか・・・・・」
ミラとエルザはいつもどおり冷静に判断をしていた。さすがは長女と次女。
「ミラねぇ達のお手伝いしようかな?」
「そ、そうですね・・」
何もすることがないのか、リサーナとウェンディも本を調べることにした。
その横でエルフマンが何やら料理を作っている・・・・・美味そうだ。

「えっと・・・・クカイセ、リワカ、スマ・・・・きゃぁっ」

急いで本を閉じるが、時、すでに遅し。
ピンク色の光がこの家の中に居たものだけを包み込んだ。

「今度は、なんだぁ?」
おわかりだろうか、先ほどの言葉はミラである。
「今度はピンクの光・・・・一体、何がおこる光なのかなぁ・・」
こちらはエルザ・・・・まんま女の子である。
「こ、今回は私にもみえたよっ」
「わ、私もですっ!!」
おや、?リサーナとウェンディはそのままだ・・・・。
「ねぇちゃんたち大丈夫か!?」
エルフマンも普通・・・・・。
・・・口調がおかしいのは、もしかして、ミラとエルザだけなのか?・・・・

「ん?、なんかあたし変じゃないか?」
「へっ?わ、私もおかしくない?」
どこかおかしい二人。そんな二人を見て、家族が家じゅうから集まってきた。
「・・・・おい、大丈夫かよ・・・」
「エルザじゃねぇ!、ミラじゃねぇ!、どうなってんだぁ?」
「・・・!もしかして、この本のせい!?」
急いで本をめくっていくレビィ。
さすがはレビィで数分たつと「なるほど・・・」と言って本を閉じた。

「言いにくいんだけど・・・二人ともあと一時間くらいはそのままよ・・」
「なっまじかよっあたし・・・・」
「こ、こんなのおかしすぎるよっっ!」
何かを考えるそぶりのミラと半泣き状態のエルザ。
とりあえず元に戻るまで、それぞれの部屋で監視一人と一緒にいることとなった。



―――ミラの部屋

「・・・・腹減った・・・エルフマン、飯!!」
「い、今作ってくるよねぇちゃん・・・・」
ミラの監視役はエルフマン。
今のミラはどこかおっかないのでエルフマンが自分が見ると言ったのだが、監視役がその場を離れていいのだろうか・・・?
ご飯を作りに部屋を出たエルフマン、その代わりにリサーナが入ってきた。
「ミラねぇ・・大丈夫?」
「ん?何がだ?あたしは絶好調だぞ?」
はっきりいって性格が変わっているミラ。
これもあの本の影響なのだ。
「エルザの方は・・・・大丈夫だよね・・・」
なんだか全く別人のような自分の姉をみてリサーナはそう呟いた。
しかし、それはミラに聞こえていたらしく・・・

「エルザか・・・よしっエルザの部屋へ行くぞ!」
「え?あっ、ちょっ」
ミラはリサーナの手をつかむと、そのまま部屋のドアを開け部屋から出てしまった。
もちろん、行き先はエルザの部屋。


この後、数分して、エルフマンがしょんぼりするのはまた別の話として・・・・



―――エルザの部屋

その時、エルザの部屋では、ナツ、ルーシィ、グレイが集まりエルザの様子をみつつ話をしていた。
それはロキからの手紙から始まった。手紙はルーシィのもとへ先ほど届いたばかりだ。
内容は国中の人が殺し合いをしているというものだった。
正確には殴るや蹴る、ただ、一つだけ気になる事があるらしく、それについてはとても詳しく書かれていた。

『一つだけ気になる事があるんだ、その人たちが言っていた言葉なんだが・・「私の物にならないなら死んで!!」だったり「あんたなんかより私の方が彼を愛してるのよ!!」だったり「俺の物になれ!!」だったり・・・そっちで調べてほしいんだ。言いたかったのはそれだけ・・・愛してるよルーシィ!!』

最後を除けば確かに気になるものばかり。
結局その場に居たナツとルーシィで町の様子をみに行くことになったんだけど、そこからが問題だった。
グレイがいたのでエルザの事はグレイに任せればいいわけだけど、もしもこの事件があの本のせいだとしたら、ナツ達も国中の人と同じ行動をとってしまうのではないか?というものだ。

そんな事になれば、誰も止めるものがいなくなり大変なことになる。

あと、もうひとつ。
ミラとエルザがなぜこうなったのかだ。
レビィは一時間ぐらいでもとに戻るといっていたがどうなのだろう?
ミラとエルザだけがこんな状態になってしまったのも何かありそうで、ますます分からなくなる。

「と、とりあえず行ってくるねっ」
「エルザの事・・・頼んだぞ」
「わぁってるよ!!」
エルザも一言も発さなかったが目で行ってらっしゃいと伝える。
しかし、二人が部屋を出て直後、ミラが来る数分前、まさか、こんなことになるなんて・・・・








二話END


次回予告
壊れかけた家族愛。崩壊ではなく、変な方向にゆがみかけているのだ。
この気持ちは、家族愛か、それとも・・・・

*ジュビ→グレエル←ミラ(ミラ→エルグレ←ジュビ)苦手さん、リサナツルー(ナツリサ、ナツルー)苦手さんは見ない方がよいかと・・・
*この中で傷つけあったりと大変です!そういうの苦手な人も見ない方がよいかと・・・
*NLとGLが少々入ります!注意してね!

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