禁断に愛を(書いたもの
□4、争いは誰の為?己の気持ちに素直に・・・
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4、争いは誰の為?己の気持ちに素直に・・・
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誰の為に戦うのか?
己の為だと言うけれど、
はたから見れば、ただ、欲におぼれる、けがれ人。
自身の為に、たちきるのだ。
欲という名の甘い蜜を・・・
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戦いが始まって数分。
グレイは本気を出せずにいた。
なぜ、自分が今戦っているのか、何を欲しここに居るのかが分からなかったからだ。
「おいっストップ!!」
「するわけないだろ!!」
ミラもまた、分からずにいた。
この戦いは相手を束縛してしまうんじゃないかと。
エルザの事は好きだけれど、束縛するような、強制するような事をしていいのかと。
だからこそお互いに本気を出せず、戦えない。
時、同じくしてエルザとジュビア。
先ほどまで怒りに奮闘していたジュビアだったが落ち着きを取り戻しかけていた。
「(私はなぜ・・あんな事を・・)」
その場の怒りにまかせ、戦いを挑んだ事、好きな方を自分の物にできると言う条件付きで。それを、後悔していたのだ。
そんなジュビアの様子に気がついたのか、エルザが口を開く。
「やめよ・・・・・ね?・・・」
いつもの強い口調と違いどこか幼げな口調。
うっすらと笑う表情はいつものエルザを連想させない。
「はい・・・・そうですね」
エルザとジュビアは和解するとミラとグレイのもとへ走って行った。
「「やめたぁー!?」」
「・・・はい・・」
言い出したのはジュビアだろうがと言いつつ、内心ほっとするミラとグレイ。
本気を出せず行き詰っていたのは二人も同じだったからだ。
「あっ・・・・」
「?」
急に声をもらしたミラ。
少々青ざめた顔でもう一度口を開く。
「リサーナ達・・・・・・」
忘れてた、と付け足して顔を引きつらせる。
今頃、どうなっているのか・・・・・・・
「くっ・・・!!」
「まだよ・・動物の魂(アニマルソウル)!!」
猫耳の可愛い獣人。しかし、それはとても恐ろしく強くて、怒りがにじみ出ていた。
「・・やるわね・・・だったらあたしも!!」
ルーシィが腰に掛けてある鍵のケースから、一つとりだす。
「開け、「ちょっとまったぁ!!!」へっ?」
完全に戦闘になるぎりぎりの所でミラ達が現れる。
ナツといえば、その場で横になり目を回していた。
「リサーナ落ち着け!!」
「へっ?・・あっ・・・・!」
冷静になれば周りが見えてくる。
リサーナの目に映ったのは傷ついたルーシィ。
ルーシィの目に映ったのは傷ついたリサーナだった。
「あ、あたし・・・・」
目に涙をためるリサーナの背中をルーシィがポンポンとなでる。
「・・・帰ろっか?」
「・・・うん・・・」
なぜ、戦っていたんだろう?
そう頭の中で考えながら、二人は顔を見合わせた。
「帰ってきてしまったか・・・・・」
青い髪に赤い紋章。
ナツ達の家を野原の上から見上げつぶやく一人の男。
一歩一歩、足をその家へと近づけた。
四話END
次回予告
戦いは終わり、始まりを告げた。
新たな恋の予感に人々は頬を染めた。