短いお話(かいたもの
□君に触れて〜永久の形〜
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グレエル
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永久に・・誰もが口にするけれど誰もが破るその約束。
もともと永久なんてのは無理な話で、それでも人はできる限りその約束を守ろうとした。
永久なんていらない、ただそばで最後まで居てくれれば。
そう、思いながら・・・。
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「エルザー」
黒い髪に聞きなれた声、そばに居るとなぜか心底落ち着くアイツ。
「なんだ、グレイ・・・」
カウンター前のイス。最近キシキシなっているから、もうかえどきだろうか?
そんなことを考えるエルザの瞳には先ほど捕らえた言葉の主。
グレイ・フルバスターがいた―――――‐‐
「一緒に仕事いかねぇか?」
「めずらしいな、雨が降りそうだ・・」
机の上におかれた一枚の依頼書。
そこには『美女コンテスト 私のかわりにでてください!!』と書かれている。
「はぁ・・・、これに出ろと?」
「あぁ・・・だめか?エルザなら優勝できると思うんだけど・・」
「・・・・・。おまえはどう思うんだ・・?」
「へっ?」
顔を赤くして黙るグレイにエルザはさらに問いを重ねる。
「それに、どうするんだ?そんなものに出て・・」
「そ、それは・・・」
頬をかき目をそらす。
しかし、エルザの視線が痛く一度コホンッとせきをついてから話を進めた。
「・・・報酬・・・」
「はっ・・・?」
「だから報酬だよ!!!」
依頼書の下の方を指差す。
そこには、『報酬 20万+依頼を受けてくれた方達の写真+永久の誓い石(ペアで)』
とかかれていた。
「写真とか、誓い石とか、いいなって思ったからだよっ!!」
あ〜もう、といって頭をかかえるグレイ。
しゃがみこんで下を向いてるので顔は見えないが、
髪の間から見える耳から赤面している事が分かる。
「・・・・分かった。この依頼には期限があるからな。早速明日向かおう」
「!おっおう」
グレイがどう思ってるかなんて分からない。
もしかしたら、ただ仲間との写真がほしかっただけかもしれない。
誓い石をプレゼントしたい人が居るのかもしれない。
でも・・・。
それでも、グレイが誘ってくれることが、自分を選んでくれたことが、嬉しくて。
明日という日がいつもの倍楽しみになった。
誓い石には伝説がある。
1、好きな人に想いが届く
2、好きな人にいつでも触れることができる
3、永久に二人そばに居られる
いつか、キミに想いが届くように。
そう願うグレイもまた、いつもの倍明日が楽しみになった。