日雛小説
□初恋は実らない!?
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澄んだ空に、小さな鳥たちが舞う。
隣では、早々に自分の仕事を終わらせていた日番谷くんがなにも言わず、ただそっと座っている。
この5年、1番私のことを心配してくれていたのは、紛れもなく彼だ。
その事は自分のなかでも分かっていたし、彼に何度助けられたかも数えきれない程だから、私はとても感謝している。
「ねぇ日番谷くん、今日なんの日だか、わかる?」
もう、何年も前の今日。
私は五番隊の、副隊長になって
私は、恋をした。
「今日?…お前が五番隊の…」
言いかけて日番谷くんは、少し戸惑ったみたいだったけど。
「副隊長になった日だろ?」
「…うん。あのね、日番谷くん、今日はね、私の初恋の日なんだよ…。」
「…お前、まだー…」
まだ藍染隊長が好きなのか・って、言いたいんでしょう?
「ううん。もう大丈夫だよ。ただ時々…どうしても思い出すんだ。」
隊長のこと
幸せだった日のこと
恋をしていた頃のこと。