日雛小説
□初恋は実らない!?
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私が初めて恋をした男のひとは
優しい仮面を被った
悪魔でした。
初めて笑いかけてくれたのは、
私がまだ学生で、
右も左も分からなかったような頃。
初めてのピンチを
あっという間に助けてくれた
暖かくて、大きな手。
優しく笑う彼の顔に、私はひどく安心して。
彼のもとで働きたいと
彼のようになりたいと
彼のそばで役に立ちたいとー…。
それだけを胸に、勉強してきた。
そうしてやっと、
同じ場所で、
戦えるようになったのに。
待ち受けていたのは残酷な裏切り。
あれから5年ー…。
まわりの人たちの助けや優しさに守られて、私はやっと、失いかけていた心を取り戻し始めていた。