日雛小説

□プレゼント。
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朝一番に日番谷くんのお部屋に、プレゼントを持って行って、びっくりさせる。


「一緒にご飯食べよ!」って誘ってお祝いする。


10番隊のみんなと一緒にお酒を飲みながら…はダメか。
怒られそうだし。




もう明日が日番谷くんの誕生日だっていうのになかなか決まらない。

そこまで考えて、ハッと気づいた。


「あー!!!日番谷くんに、20日は空けといてねって言うの忘れてたぁー…。。。」


もしかしたら今年は、乱菊さんたちにお祝いしてもらう予定が入ってしまっているかもしれない。

今年は、なんか、ダメだなぁ…。
去年は、一昨年は、昔は、どうしてたっけ?

そうして、当てもなく外を歩いて、はぁ・と、ため息をついた時。

ふわり・と持ち上げられた身体と
鼻をかすめる、苦くて甘い香り。


私を持ち上げる、ゴツゴツした大きな手には覚えがあった。
少々荒々しい持ち方も彼らしい。
だけど私はその不思議な香りに誘われ、深い眠りに落ちていく。

そう、この手は、あの赤い髪をした―…。









「ん…」






日番谷くんの匂いがする。

起きなくちゃいけないはずなのに、この暖かくて居心地がいい、日番谷くんの匂いのする場所から離れたくない。

夢か現実かわからない今を、まだずっと感じていたくて。



もぞもぞと体を動かすと、ひやり・と体に冷たいものがあたって目を開けた。


目の前に、日番谷くんが寝ている。

懐かしい・と思う。

昔はよくこうやって隣で寝ていたっけ。


日番谷くんが隣で寝ているなんて、きっとこれは夢なんだ。

私は日番谷くんをギュッと抱き寄せて、彼の足に自分の足を絡めた。

冷たくて心地いい。

この夢から覚めたら、日番谷くんにお誕生日おめでとうって言いに行こう。

そんなことを思って、私はまた、目をとじた。




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