リヴァミカ小説

□不器用な彼女。
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「ミカサ、もう一回、言ってくれる?」



夕暮れの食堂。
食事を済ませた兵士たちは早々と自室に切り上げてゆく。

そんな中、ミカサとアルミンはいつものように談笑をしていたのだが。
突然ミカサが妙なことを言い出すものだから、アルミンは目を丸くした。



「何度も言うのは恥ずかしい。ちゃんと聞いて…。心臓の動悸が治まらなくて困ってる。その人を見たり、声を聴いたり、するだけで。顔も熱くなってしまう。私はどうしたのだと思う?」



うっすら顔を赤らめながら話す幼馴染を目の前
に、アルミンは小さく微笑んだ。



「アルミンは何でも知っているからわかる、はず、だと思って。」



あのミカサが、恋する少女の顔をしている。
エレンへの‘好き’とは別の‘好き’の感情に初めて出会って、戸惑って、揺れている。そんな表情だった。


アルミンは、そんなの簡単だよ・と笑って見せる。





「今、僕に言ったことを、その人に伝えてごらん。」




「今、言ったことを・・・?」



暫くの沈黙の後、ミカサが赤面して、【いやいや】をするみたいに首を大きく振った。




「っ!!!言えない!!!」



そんな仕草や表情を見てアルミンは思う。

ミカサにこんな表情をさせることができる人がいるなんて。


僕やエレンですら、こんなに彼女の表情をころころ変えさせることは出来ない。

前よりうんと綺麗になった、可愛くなった幼馴染を、もう一度見る。


きっとこの表情であんなことを言われたら、ジャンはもちろんのこと、コニ―もベルトルトも、あのライナーだって、君のことを意識せずにはいられなくなっちゃうんじゃないかな?
なんてことまで考えてしまう。






「少しずつでいいから伝えてごらんよ。きっと世界が、変わって見えるから。」




アルミンは、諭すようにそう告げた。




「でも、兵長に、こんなこと……やっぱり、言えない……。」



俯いたままのミカサは小さく抵抗の声を漏らす。





「大丈夫さ。兵長だってー・・・え?兵長って、あの、リヴァイ兵士長!?」



思いもよらぬ人物を告げられて、思わずアルミンの声が大きくなる。



すかさずミカサがアルミンの口を手でふさぐ。
アルミンに向けられたミカサの目に、不安が浮かんでいた。


と、ミカサの背後に現れた人物を見て、アルミンは冷や汗を流した。









リヴァイ兵士長のお出ましだ……。






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