リンラン小説
□風邪薬
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「どれどれ…風邪薬ね…はいよ。」
「ありがとう。」
くしゅんッ…!!!
今日、俺が一人で風邪薬を買いに来たのにはわけがあった。
その理由は…。
「あ…!若!!いったい何処に行っておられたのですか!?」
大きな木の上から、少女の呼ぶ声。
彼女、ランファンは、俺を見つけると即座に合図を放ち、捜索隊に知らせる。
「これから寒くなりますから、一人で出歩かないようにしてください。」
ランファンはまるで、子を諭す親のように言う。
それがランファンでない人の言葉だったら、サラリと聞き流すところだが、なぜかすっかり聞き入ってしまう。
その、怒りを含んだ声さえも。
一言も、逃すことなく。
「帰りましょう、若。」
「あぁ。心配かけたな、ランファン。」
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