リンラン小説
□祷〜it can't take it any more〜
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―誰にも言えない私の秘密―
それに気づいたとき、私はどれほど後悔しただろう。
気づかなければよかったと。
気づきたくなんかなかったと。
今までは何とも思っていなかったことに
頭が
身体が
過剰に反応してしまう。
例えば飲みかけの水を
「ランファンも飲む?」
って渡されたとき。
例えば混雑する人ごみの中で
何の前触れもなく不意に
手を引いてくれるとき。
私の心はどうしようもなく飛んで、跳ねて、
忙しなく動き回るのだ。
ほら、また。
貴方は私を見て、優しく笑う。
そんな些細なことに私の心がどれだけ騒いでいるのかも知らないで。
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