グリラン小説
□特別
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カン…カン…ヒュッ…。
戦う音がする。
方向は少し北寄りだ。
もうそろそろつく。
この『気』は、若のものだ。
お護りせねば。
半年もそばを離れ、半年も護ることができなかったのだ。
今度は命に代えても私が。
急用で中央にいっていたとき、ぐらり・と若の気が変化するのに気付いた。
それは不確かな、直観のようなものだったけれど、確かに感じたのだ。
―――若が危険にさらされている―――
そう思った私は、すぐに中央をでたのだった。
でも、わたしはすっかり忘れていた。
若の中には、グリードという化け物が住んでいて、滅多に本物の若が現れないということを。
「若っ!!」
「ちげぇ、女!!俺はグリードだ!!」
見れば、以前見たことのある人造人間、『プライド』と戦っていた。
「おい!女!逃げろ!!」
グリードがそういい終えないうちだっただろうか?
一瞬、プライドの口元が上がった気がしたのも束の間、私は手も足もピタッと止まり、動けなくなる。
「!?」
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