グリラン小説
□首輪
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「なっ…なにをするっ…!!」
人気のない路地裏に、少女の、不安の混じる困りきった声が響く。
チャリ…と小さくなるのは、繊細な金属の触れ合う音。
俺は、器用な手つきで彼女の首に、小さな宝石のついたネックレスをつけた。
「お前、この間物欲しげにソレみてただろ?」
確かにそれは、数か月前に店を通りかかった時に見入ってしまったものだった。
でも、そのとき一緒にいたのは確か、リン様だったような…。
「なぜお前がっ「リンからだとよ。」
「え?…リン様が…?」
彼女の言葉と同様に、少し苛々したのは紛れもなく自分。
自分からではなく、アイツからだったらすんなり信じ込んで受け取るのか。
苛々する。
そうだ、少しいじめてやろう。
「なぁ、何で男がネックレスを捧げるか、知ってるか?」
「?」
彼女に聞くと、予想通りの反応。
「それはな、『首輪』だ。『俺のもんだ』って、他の奴にわからせるためのな。」
彼女は、俺を警戒する様子など忘れて、ただひたすらその意味を模索する。
その意味に光を見つけたのか、下がっていた顔が上がり、大きな目を見開いた。
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