小さな彼との青春
□第十一話
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「まぁ、まぁ、初日なんだから」
今は家に帰るところ
「そんな落ち込まなくても」
「だ、だって」
「確かに考えてみればレシーブする機会ってなかったよね」
「ま、まぁ」
「セッターになった時もオーバーばっかりで中学でスパイクとサーブだもんねー」
「う、うん」
小学生の時4人くらい背の高い子がいて入りこめる隙がなくて
リベロになろうとも2人凄く上手な上級生がいてこちらも入りこめる隙がなかった
そこで、勧められたのがセッターだった
オーバー、ツーアタック、ジャンプフローターを練習して
中学に入ってからスパイクを打つと周りより凄かったらしく、数少ない攻撃組になりセッターとはおさらば
「でも、これからずっーとひたすらレシーブ練習してたら春にはけっこう上げれるようになるよ」
「そ、そうかな?」
「そうだよ!!繋心さんだって言ってたじゃん!!変な癖はついてないからって」
「基礎しかできてないって言われた」
「だって、基礎しかやってないじゃん!!しゃーない、しゃーない」
「う、うん」
「あとは、体力作りね!!
今日はまっすぐ体育館行ったけど、これからは1時間走ってからね!!
そして、家帰ってスクワット3セット!!」
1時間何て部活やってる時でも走ったことないんだけど
恋ちゃんスパルタだなっー
「あ、それと、冬休み入ってからは2時間プールでウォーキングして、それで体育館で往復ダッシュ50回、スクワットは1セットでいいや!!」
プールでウォーキングは健康にもいいって聞いたけど
体育館でダッシュ往復50回って、え!?
死ぬでしょ
2時間ウォーキング水中でするのに…ー
「あ、でも毎日じゃないよ?
プールは週3で冬休み終わる2週間前まで、町内会のみなさんがいる時はダッシュなしで!!」
「町内会のみなさん方は頻繁にいるの?」
「いないと思う、土日の夕方とかかなー?」
ほぼ毎日ダッシュってことですね…
「バ、バレーの練習はどうやって?」
「夕くんに教えてもらうのと、ママさん達とか、私の友達のバレーボーラーに」
バレーボーラー?
バレーやる人ってこと?
「あ、そうだ!!烏養監督にも協力してもらえるように頼んでみる!!」
「烏養監督?」
「繋心さんのお爺さんで烏野高校の監督!!」
「あ、そうなんだ」
だから繋心さんって呼んでるんだ
「でも、もう引退しちゃったんだったかな?まぁ、いいや!!今度繋心さんに聞いてみるから
とりあえず、家帰ってスクワットね!!」
「は、はい」