キミイロニソマリ【完】
□出会いの季節
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次の日の朝、SHRが終わると同時に担任の元へ行った。
「先生、入部届です。お願いします」
「おぉ、…バスケ部マネージャー、か。頑張れよ」
「はい。ありがとうございます」
無事にそれを渡し席に着こうとした。が、担任に呼び止められた。
「はい?」
「柏木、入学試験1位だったらしいな」
何気なく言われた一言に驚いた。
「えっ、そうだったんですか?」
「なんだ、開示行ってないのか」
そう、昨日開示に行こうと思ったのだが、あまりにも人が多くて断念したのだ。
「はい。あれ、でも、赤司くんが1位だったはずですよね?」
新入生代表挨拶は確か入学試験1位の人がするはずだ。
「ああ、同率1位だったらしいぞ。それで出席番号が早い方の赤司が挨拶することになったみたいだ」
この学校は出席番号順が男女別な為、男子の方が先になっているのだ。
「そうなんですか。でも、挨拶とか苦手なのでよかったです」
「はは、さらっとこなしそうだけどな。まあ、これから勉強も部活も頑張れよ」
「はい、ありがとうございます。失礼します」