キミイロニソマリ【完】
□涙は涸れないらしい
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「柏木、おはよう」
「あっ、赤司くんおはよう。昨日はありがとう」
次の日の朝、赤司くんと校門前でばったり会って、教室まで一緒に向かった。
「今日席替えだよー!どこの席になるかなあ」
「窓際がいいかな、暖かいし」
そんな会話をしていたらすぐに教室に着いた。
そして席替えが始まった。
私の席は窓際の1番後ろという特等席で、最近運を、使いすぎではないかと心配になってきた。
その場所に移動すると、なんと私の前の席は赤司くんだった。
「赤司くん、前後だねー!よろしく!」
「ああ、よろしく」
右隣は可愛い女の子だった。
なんだか上手く行きすぎて怖いくらいだ。
暖かさからくる眠気に耐えながら授業を受け、部活の時間となった。
「赤司くん、掃除?」
「いや、違う。柏木は?」
「私もないよー!じゃあ部活一緒に行こ!」
実はまだ体育館への道を覚えていないので、赤司くんがいてよかった。
「ふっ、まだ道を覚えていないんだろう。行こうか」
…うん、赤司様にはお見通しって訳ですね。
「頑張って早く覚えます…」
「ずっと覚えなくてもいいけどな」
「え?」
「いや、なんでもない」
…?なんだろう。
何か言っていたのに聞こえなかった。
何でもないって言ってるし、いいか。
そうして昨日と同じように2人で体育館へと向かった。