キミイロニソマリ【完】


□涙は涸れないらしい
1ページ/7ページ


「柏木、おはよう」

「あっ、赤司くんおはよう。昨日はありがとう」

次の日の朝、赤司くんと校門前でばったり会って、教室まで一緒に向かった。

「今日席替えだよー!どこの席になるかなあ」

「窓際がいいかな、暖かいし」

そんな会話をしていたらすぐに教室に着いた。


そして席替えが始まった。

私の席は窓際の1番後ろという特等席で、最近運を、使いすぎではないかと心配になってきた。

その場所に移動すると、なんと私の前の席は赤司くんだった。

「赤司くん、前後だねー!よろしく!」

「ああ、よろしく」

右隣は可愛い女の子だった。
なんだか上手く行きすぎて怖いくらいだ。

暖かさからくる眠気に耐えながら授業を受け、部活の時間となった。

「赤司くん、掃除?」

「いや、違う。柏木は?」

「私もないよー!じゃあ部活一緒に行こ!」

実はまだ体育館への道を覚えていないので、赤司くんがいてよかった。

「ふっ、まだ道を覚えていないんだろう。行こうか」

…うん、赤司様にはお見通しって訳ですね。

「頑張って早く覚えます…」

「ずっと覚えなくてもいいけどな」

「え?」

「いや、なんでもない」

…?なんだろう。
何か言っていたのに聞こえなかった。
何でもないって言ってるし、いいか。

そうして昨日と同じように2人で体育館へと向かった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ