キミイロニソマリ【完】
□近づく距離は近いままで
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赤司くんと初めて2人乗りをしてから1ヶ月以上が経ちすっかり梅雨に入ろうとしていた。
最近になって気づいたのだけれど、やっぱり赤司くんは自転車通学ではなかったようだ。
どうしてあの日は自転車だったのか聞いたら、
「なんだか使う気がしてね」
と言われた。
やはり彼はエスパーか何かなのだろう。
あの綺麗な目で全てを見られている気がしてならない。
そんな彼の弱ったところなんて想像がつかなかった。
彼はしんどい時、誰に頼るのだろう。