キミイロニソマリ【完】
□名前をつけるなら
1ページ/6ページ
「征くーん。」
「…どうした?」
甘えたように名前を呼ぶ唯香。
珍しいな、と思いながらも返事をするとそっちに行っていいかと聞いてきた。
「ああ、そんなこと聞かなくても良い。おいで。」
そう言うと嬉しそうに俺が座っているソファまで来て、横に座って肩に寄りかかってきた。
「…何かあったのか?」
可愛い、異常な程可愛い。
が、こんなに甘えるなんて本当に珍しい。
これは何かあったと確信するには十分過ぎた。
「うーん、大したことじゃないんだけどね。」
「…何だ?」
「これ、見ちゃった。」
そう言って見せてきたのは、高校時代の写真だった。
これは確か…3年の時の学園祭か?
ミスターコンテストとやらがあったのだが、何でもこの年から全員強制参加だとかで優勝した時の写真だった。
隣に写っているのはミスコンの優勝者。
しかしそんなものどこから見つけ出したと言うのだ。