ブラザーコンプレックス!
□たちましょう
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「………シカマル。」
瞼を開くと白い天井が視界に移った。
疑問符を浮かべながら起き上がれば、腕に違和感を覚えた。
右腕を見やり違和感を確認すると針が刺さっていた。針から伸びる管を視線で辿っていけば、その先には血の入ったパックが繋がれている。
……輸血パック?
何故か貧血が起きたようにクラクラする頭を押さえて記憶を辿る。
確かシカマルと一緒に居酒屋に行って……うん、シカマルと二人きりでだ。他の邪魔な人達なんて記憶にない、全くない。断じてない。
誰かを忘れている気がするけどまあいいや。どうせ熊とか海豚とか出雲とかそんなことだろうし。思い出す意味もないし。
一度頷いてから再度記憶を辿る。
えーっと…居酒屋でシカマルが、………網シャツを……シカマルの上半身が…裸…………。
僕はすべて思い出した。そして鼻血を噴き出した。
病室が真っ赤に染まったけど気にしない。鉄臭くなったけど気にしない。血が足りないことも気にしない。
気にする暇があるならシカマルのセクシーな上半身を思い出すよ。決して忘れないように脳みそに刻み付けるよ。
僕の鼻から流れる血はシーツに赤い染みを作り続ける。
「……お前はいったいなんなんだい。」
鼻を押さえてセクシーシカマルを思い出してニヤニヤしていると、不意にだれかの声がした。
声がした方向に視線を向けると、何故かこれから火影になるらしい綱手様とやらが居た。
「僕は`可愛い可愛い世界一輝いているシカマル'の兄シカキチですよ若作りババア。」
「そうかい今すぐあの世の片道切符が欲しいのかシカキチは。」
「申し訳ございませんババア様。」
「様をつければ良いってもんじゃないよ。」
今殺されてシカマルに会えなくなるのは嫌なので、両手をあげて謝罪の言葉を述べる。
するとババア様は溜め息をつきつつこちらに近付いて来る。
「…私は綱手だよ、新しく火影になる綱手だ。」
毛ほども興味はないね。
ああ、このババアが火影になったってことは、僕のシカマルがサスケ奪還任務につくってことか。
そしてテマリとかいう砂のくのいちと恋愛フラグをたてて―――よし、サスケの息の根を止めよう。そうすれば奪還任務はないし恋愛フラグもたたない。
どこに居るかも分からないサスケにたいして殺気を送っていれば、ババアが壁に背中を預けた。
「…お前、医療忍者なんだってね。」
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