novel

□※映画を見よう1
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ナルト宅。

クシナが下から大声で2階のナルトを呼ぶ。


「ナルトー!買い物行ってくるからサスケ君とお留守番頼むってばねー!」

「分かったてばよ! なぁ、サスケ今日泊まってけば?」

「替えの服持ってねぇよ」

「俺の着ればいいじゃん、てか夕飯作って」

「何で俺が」

「母ちゃん料理下手なんだってば」

「だからって何で俺が。親父さんは?」

「父ちゃんは作んのうまい。けど普段帰り遅いし。俺サスケの手料理食べたいし」

「親父さん何でも出来るよな」

「そうなんだってばよ…(スルーされた)」


ミナトのことは、少し見たことあるだけだが、すごい人だと言うことは至る所で聞いていた。

しばらく2人して、沈黙。
ナルトはサスケの方を見ているが、サスケはボーッと天井を見ている。


「……なんかいんの?」

「いるわけねぇだろ、ちょっとボーッとしてただけだ。そういや、親父さん若ぇよな、いくつだよ?」

「知らね」

「知らねぇってことは無いだろ」

「や、聞いても誤魔化すんだってば」

「誤魔化す?」

「聞くたびに年が変わるんだってばよ」

「最近は何歳だ?」

「33」

「カカシの3つ上かよ」

「あり得ないってば」

「カカシん家に親父さんと写ってる写真あったぞ。アイツはガキで親父さんは今のままだった」

「まじか、父ちゃん不老不死かよ。…てか、お前カカシ先生んちに行ったことあんの?何で?」

「(やべぇ、失言だった)…それはいいだろ、今は」

「や、ダメ。すげぇ気にな…」


プルルルr…


「携帯鳴ってんぞ…(助かった)」

「あー…もしもし?あ、母ちゃん?どした?あ?財布?リビング?あーはいはい行くってばよ。サスケ、母ちゃん財布忘れたみてぇだから、ちょっと行ってくんな。留守番任せたってばよ」

「おう」


バタバタと階段を下り、少し経つと玄関が閉まる音がした。



しばらくボーッとしていると、玄関の開く音がした。


(あいつ、早ぇな)

階段を上がってくる音がして、ドアを開ける。



「早かったな、おかえり」

「え…あ、ただいま、サスケ君」

「あ…おかえりなさい」

「えっと、クシナとナルトは?」

「あの、おばさんが買い物行って、財布忘れたらしいんで、ナルトが届けに」

「そっか………ナルトが帰ってくるまで暇でしょ?一緒にテレビでも見てようよ」

「あ、はい」

「ちょっと着替えてくるから先に下に行っててもらってもいいかな?」

「はい」


リビングのソファーに座り、ふぅっと一つ息を吐いた。


(やっぱ若ぇな)


「ごめんね、お待たせ。隣に座ってもいいかな?」

「あ、はい」


テレビをつけ、チャンネルを回すが、いい番組がやっていない。


「そういえば、借りたDVDまだ見てなかったんだよね。サスケ君、これ見たことある?」

「や、無いです」

「じゃ、一緒に見ようか」

「はい」


DVDが始まった。ラブストーリーのようだが、なかなか展開しない。


「うーん…あんまり進展しないねぇ。サスケ君は、どんなの見るの?」

「えっと、サイコサスペンスとか、アクションとか…です」

「じゃぁ、今度はそういうのを借りよっかな。そしたら、また一緒に見ようね」



映画を流しながら会話をしていると、いつの間にかラブシーンが始まってしまった。


(こういうの苦手なんだよ…)


サスケが画面から目をそらし下を向いていると、ミナトが早送りをする。


「こういうのは、ね」


ちょっと気まずいよね、と笑うミナトに、サスケは恥ずかしそうに小さく頷いた。

カカシとDVDを見ている時にそういうシーンが出ると、カカシは分かっているくせに、「ちゃんと見なよ」と言ってくるし、わざとそういうB級映画を選んで借りてくる。


濡れ場のシーンが終わり、再生を始めても、しばらくすると、またラブシーンが始まる。


「なんか、間違ったの選んじゃったかな…あれ、サスケ君、どうしたの?」

「あの、…目が」

「あっ、擦っちゃダメだよ。見せて?」


ミナトはサスケの頬に手を添えて、顔を近づける。


「あぁ、まつげが…」


ガチャッ


「ただいまー!あれ、父ちゃん帰って…あーっ!何してるんだってばよ!」

「おかえり、ナルト。サスケ君と一緒にDVD見てたんだよ」

「うそつけ!キスしてただろ!見てたぞ!しかも何!?エロシーンじゃん!これ見て変な気分になったのかよ、てか、サスケも抵抗しろよ!」

「違ぇよ、お前の見間違いだ。目にまつげが入ったから見てもらってただけだ。あの、もう大丈夫です、すみません」

「あ…うん」

「…まぁ、サスケが言うならまぁ。サスケ、2階行こうぜ」


ナルトはサスケの腕を引っ張り、リビングを出ていく。


「サスケ君、次はサイコね」


ニコリと笑うミナトに、振り向いたサスケは微笑みながら頷いた。
ナルトの部屋に上がると、ナルトは少し不機嫌になっている。


「サスケ、さっきの父ちゃんのどういう意味……顔、赤いってばよ」

「別に普通だ」

「もう、父ちゃんと2人っきりで会っちゃダメだかんな」

「そんなのお前に関係ないだろ。あ、やっぱ今日泊まってく」

「えー…」

「嫌なのかよ」

「嫌じゃないけど…嫌だってば…(なんで俺じゃなくて父ちゃんなんだってばよ…)」

「どっちだよ(ミナトさん、手ぇ大きいんだな…優しいし)」


            end


:::::::::::

サスケのミナトへの想いは、まだ恋愛感情じゃないです。
でも、ナルトは意外と鋭いので。
サスケはカカシと隠れて付き合ってますが、ちゃんと大好きですよ。   


              

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