「旦那、」
そう呼べば、作業をしていた手を止めて、あ?と短い返事でオイラを見上げる。
いつも眠そうな目をしているけど、良く見るとすっげー綺麗な色をしていて、気を抜いたら吸い込まれちまうんじゃねーかって思う。
でも、そんな感覚が心地良くて、オイラに応えてくれるのが嬉しくて、何度も、何度も視線を交えた。
「旦那ー」
「……」
「ねぇ旦那ー」
「……」
「っおい!だん…っは…、」
もう何度目だろうか、呼ぼうとして開いた口は、旦那の唇で塞がれた。
「やっと大人しくなったな」
「ッ、そういうのは卑怯だろ…うん」
「ククッ…俺の事がそんなに好きか」
得意気に笑った旦那の顔に胸が高鳴る。そうやってオイラを簡単にときめかせるんだ。
なんだか、自分ばかり余裕が無い気がして悔しかった。
「好きだよ、食っちまいたいくらいに」
床に押し倒すと、キッと目付きを変えて睨み付けてくる。そんな視線にすらそそられちまうオイラは変態なのだろうか…でも、それでもいいや、なんて、そんな事を考えながら、首筋を吸い付くように舐め上げて噛み付いた。
「ッ、てっめぇ…!」
悪いけど、力では負ける気はしねえ。必死にオイラの胸板を押し返す旦那を無視して、唇を首筋から耳へ滑らせる。
旦那は耳が弱い。それを知っているからこそ、わざとリップ音を響かせながらキスをした。
「っあ…ん、やめっ…ろ!」
「…やめて欲しい?うん」
動きを止めて旦那を見下ろせば、目を潤ませてこちら睨み続けているが、全くそれは逆効果。余裕を無くしてやるはずが、何時の間にか自分も余裕が無くなっていて、思わず息を呑む。
「−−旦那、」
「名前で、呼べ…」
「…へ?」
何の事か分からず、ぱちぱちと瞬きを繰り返していると、チッと舌打ちをしてもう一度オイラを見た。
「今だけ名前で呼べって言ってんだよ、一回で聞き取れアホダラ…!」
「っ…!」
恥ずかしそうに、手の甲で口元を隠しながら、頬を染める旦那が、あまりにも可愛いくて。それはもう、理性なんてぶっ飛んじまいそうな程に。
「サーソリっ」
「…やっぱ何かうぜぇ、今の無し」
そうやって照れ隠しにそっぽを向く所も、
「サソリ、」
オイラを見上げるその上目遣いも、全部、全部、
「好きだ…うん」
「知ってる、」
オイラの頬に手を添えるながら、そう言った旦那は心から幸せそうに笑っていて。
言葉の代わりに、愛おしいその唇に、すきのしるしを落とした。
『めるへんちっく。』のるかちゃんからいただきました♪
か、可愛い…!
何ですかこの可愛過ぎるデイサソは…!!//
終始頬が緩んでました(*´ω`*)
元々素敵な可愛らしい文をお書きの方なのですが
この文をいただきさらに好きになりました//
もう可愛いとしか感想が出てこない程
自分にとってドストライクでした
るかちゃん!こんな素敵な文をありがとう!
これからもどうぞよろしくねー///