Mein
□始まり
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ジャックside
彼女は突然、俺の前に現れた…
白い袖のないワンピース。それとは対照的な色の黒髪の少女。
「あなた、名前は?」
「…俺はただの」
「ただのジャックだ」
少しの間の後、彼女は満面の笑みで言った。
「そう!面白みのない名前ね」
彼女はこの場には明らかに異質だった。
こんな街の裏とも呼ばれそうな行き場のなくしたほとんどの奴らがただ死を待つだけの場所に
唐突に彼女は現れた。
分からない。
どうして、こんな俺に構うのか…
「あら、あなたよく見たらきれいな顔してるのね」
吸い込まれそうな赤い瞳…
―そこで俺の意識は途絶えた−…
目を覚ました時、まだ彼女はいて。
「私、レイシーって言うの」
「ジャック?あなた、お腹が減ってたから倒れたんでしょう?」
だから…と続く言葉の後、