Poem

□電脳サブ・コンシャス美術館
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果てることを知らぬその空間は
この一瞬にも
次の一瞬にも
広がり続ける二進法の魔物







奇形ばかりの塑像
傷だらけのペルソナ

不安を掻き立てる背景音楽に満たされて
黒で塗り潰された絵画には
黒山の人だかり


ファウスト的衝動の聖地よ
人々には
始祖イヴの血が流れている







コンクリートジャングルの獣道に
助けを呼ぶ咆哮も遮られて

孤高の獅子は天に召される為に
地に墜ちる



現代の目の保養
電脳美術館はいつも此処に

独りぼっちで覗く
広すぎる世界を与えましょう
青白い光で素敵な無表情を照らすから
その綺麗なヒトミ犠牲にして
堕落と安息を求めて







禁断の果実を欲する感情は
誰もの遺伝子に組み込まれている


スノウ・ホワイトに毒を盛った魔女は
暗黒の美術館に姿を変え

次に狙うは
生きることに疲れたココロの奥



エデンの園はその向こうに




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