Poem

□Tea Time
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真っ白のクロスを引いた
硝子のテーブルで
Tea Timeを始めましょう



色とりどりのカップとソーサー
一人一人に配ってまわって
参加者は
出会った人たち全員

「あら貴方
ちょっと幅を取りすぎじゃなくて?」







テーブルの真ん中には
秘密を
それを囲んでお砂糖のポット
蜂蜜の壷
真っ白のミルクも置いて
棘のある花を飾りましょう

「お茶菓子は一人一人に手作りです」

甘いも辛いもあなた次第



「私、ミルクティーがいいな」

白いカップと白いミルクを先に温めて
紅茶を注げば少しずつ
紅みが差す

ほら、もたもたしないで
熱いうちに砂糖を入れて
火傷しても自己責任よ

「ちょっと、貴方
私の紅茶にそんなに砂糖を入れないで」







何かの拍子にカップが倒れれば
クロスに広がる円い紅

「気にしないで、
二度と消えはしないけれど
それはとても甘い染みになる」

もう一度紅茶を入れ直しましょ
最初は苦いけれど
また幾らでも砂糖を溶かせばいいから







そろそろTea Timeもお開きの時間

でも貴方
一番テーブルの幅を取って
こんなに私の紅茶を甘くして
クロスに染みまで


責任取って
後片付けまでしっかりしてもらいますからね
途中で投げ出したら
泣いちゃうから







貴方だけはまだ帰さない
永遠のTea Timeを過ごしましょう
二人きりで


「紅茶は お好き?」





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