武神と巫女
□一,出会いって絶対大切だよね
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〜乙葉視点〜
複数 対 一人 。それだけでも十分不利なのに、私は沖田さんの決定的な弱点を見つけてしまった。
『…刀、持ってない…』
私服だからか、すぐには気がつかなかったけど、沖田さんは刀を持っていなかった。
「こんにちはー、真選組一番隊隊長さん。」
チンピラっぽい人達の中の一人が沖田さんに話しかけた。
「なんでィ。」
それに対して返す沖田さんの声はなんだか弱々しい。
「俺達、あんたに恨みがあんだよねぇ。二週間前の事件とか、覚えてます?」
「さぁな。それよりも大きな事件があったもんで、忘れちまいやした。」
「んだとぉー!!」
沖田さんの“忘れた”発言にチンピラグループの人達が騒ぎ始めた。
「ふざけてんのか、この野郎!」
「俺達は忘れてないぜ、この恨みと共にな!!」
「リーダー、もうやっちまおうぜ!」
「…オレを殺すつもりなんですかィ?」
「ああ、そうだ。あんたは刀を持ってないから、俺達にとっては絶好のチャンスだしなぁ……じゃあ…死ねェェェ!沖田ァァぁ」
『待ちなさい!!』
――私はいつの間にか、声をあげていた。
〜乙葉視点 終〜
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