薔薇の花園
□もしやり直せるなら
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万事屋から銃を突き付けられた時、ああやっぱりな、と思った。
万事屋には黙って、密かに山崎に調査させていたんだが…
どうやら、ガキ共を人質に取られているらしい、ということが分かった。
そして、俺を殺せば、ガキ共が解放されることも…
ここへ来る前、黙って屯所を出ようとしたんだが…
「よう、トシ!どっか出掛けるのか?」
運悪く近藤さんに見つかってしまった。
「あ、ああ。ちょっとな。人と会う約束をしてて…」
適当な理由を付けてそのまま出ようとしたら、
「わざわざ殺されに行くんですかィ、土方さん。」
今度は一番やっかいな奴―総悟に話しかけられ、しかも気付かれてしまっていた。
「!!おい、どういうことだ!トシ!!」
「そ、それは…」
「アンタは一応この真選組の副長でさァ。…勝手に殺されるなんて許しませんぜ?」
「はぁ…分かったよ。あのな…」
そうして俺は二人に全てを話した。もちろん大反対されたけれども、俺の決心が固いとみた総悟が、
「…そこまで言うんだったら、オレが副長の席をいただきまさァ。」
と言い、俺のことを見送ってくれた。
―そして予想通り万事屋は俺に銃を向けた。
このままでいいのか、と悩む自分はいる。
だが…アイツを完全に失っちまうのは御免だ、アイツにだったら殺されてもいい、と思う自分もいるのはたしかだ。
もし、やり直せるのなら、
またお前と二人で夏祭りにでも行きたい。
この状況でこんなことを思う俺は馬鹿なんだろう。
すまねぇ。本当はそんなこともう無理だって分かっちゃいるんだ。
ただ心が、追い付かないだけなんだ。
…どうして、俺達はこうなってしまったんだろう。
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