◇銀桜学園の日常

□ランチ☆THE・パニック
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光と乙葉、2人の前にはおせちで使うようなお弁当…ではなく、お重がある。


光『これ作ってたら学校に遅刻しそうになったわよυ』

乙葉『今日、2人とも朝練がなくって良かったです。』

千姫「だから光が教室に入ってきたのが予鈴ギリギリだったのね。」


―そして2人の周りにはお重を取り囲む様に、千姫をはじめとするC,D組の一部の生徒(計18人)+先生がいた。





〜ランチパニック!?〜


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

事の始まりは3日前。
その日はたまたま、光、乙葉、千姫、妙、九兵衛、綺羅、千鶴、沙羅、神楽、桜牙、
という光と乙葉を中心に仲の良い1,2年のC,D組の女子10人で中庭でお昼御飯を食べていた。


神楽「そういえば、乙葉のお弁当って毎日美味そうアル。」

桜牙「そうだよね〜。中3になったあたりからそれまでよりクオリティに拍車がかかってた気がする。」

乙葉『今日は光が作ってくれたからだよ…』

するとその言葉に何人かが、
「「「「「えっ?」」」」」
と言った。


綺羅「あれ?千鶴ちゃんも知らなかったんだっけ?」

千鶴「はい。」

光『あまり知らないみたいだから説明するわね。まず、私と乙葉が今は2人で一緒に暮らしてる、ってことは知ってるよね?』

妙「ええ。」

綺羅「もちろん♪」

光『お弁当は私と乙葉、二人分必要。でも、コンビニ弁当とかは栄養バランスが悪くなるかもしれないから出来れば避けたい。これはつまり、どういうことだと思う?』

神楽「ハイ!お手伝いさんを雇うアル!」

桜牙「神楽ちゃん…ボケが雑だよυ「そうアルカ?」うん。それにもしお手伝いさんがいるなら光先輩がお弁当作る必要がないじゃない。」

神楽「あ…そうネ。」

九兵衛「…つまりは、光ちゃんと乙葉ちゃんのどちらかが朝、二人分のお弁当を作らない、ということかい?」

光『そうだよ、九ちゃん。
私も乙葉もわりと忙しい部に入ってるから、私が朝練ある時は乙葉が、乙葉が朝練ある時は私が、お弁当2人分作ってるの。』

乙葉『それで、今日は私が朝練あったので、光にお弁当を作ってもらいました。』

沙羅「ちなみに二人とも朝練がある時や、その逆で二人とも朝練がない時はどうしているのですか?」

『『2人で作ってる(よ)。』』

光『その方が効率がいいし、早く作れるの。』

千姫「その忙しさでお弁当に手を抜かないところが2人のすごいところよね。」

千鶴「そうですよね。彩りがよくてバランスがとれているようにみえます。」


―と、そこへ。

平助「おーい!みんなー!」

ザキ「あ、皆さんお揃いで。」

総司「…あれ?光達、皆集まってどうしたの?」


平助をはじめ、1,2年のC,D組の男子メンバーと…


左之助「よっ。」

歳三「人数多いな。」

銀八「なんですか、わちゃわちゃして。発情期ですかコノヤロー。(棒読み)」


1,2年C,D組の担任の先生が。


乙葉『あ!皆さん…こんにちは!』

総悟「乙葉、今の迷いはなんでィ。」

桜牙「総悟、たぶん、クラスメートと先輩と先生がいたから何て言おうか迷ったんだと思うけど?」

乙葉『そうだよ、桜牙ちゃん。』

一「で、今まで何の話をしていたんだ?」

綺羅「乙葉のお弁当が美味しそう、ってところから始まって、朝は光か乙葉のどっちかがたいていお弁当作ってるっていう事を話してたんだ♪」

総司「へぇ…」

総悟「食べてみたいでさァ。お二人の手作り弁当。」

「おっ、それいいな。」
総悟の意見に賛成したのは、銀八だった。

銀八「なあ、いっそのこと2人に作ってきてもらうっていうのはどうだ?」

乙葉『ちょっと待って下さい!!』

光『いつの間にかなんでそんな話になってるんですか!?』

綺羅「えー、だって2人のお弁当美味しそうなんだもん。」

光『綺羅は黙ってて!』

総悟「それとも…」

神楽「今おかず奪われる方がいいアルカ…?」

乙葉『神楽ちゃん、怖いυ』

光『はー、まったく。そこまで他人のお弁当狙う?普通…
わかったわ。仕方ないから2人で作ってくるわ。』

乙葉『って、光!!』

神楽「やっほーい!」

左之助「楽しみだな。」

光『…乙葉。ここまで期待されてるんだし、仕方がないから作ろう。』

妙「で、いつなの?」

光『私たち二人が部活の朝練がない日―3日後は?』

千姫「それでいいんじゃない?」

総悟「じゃあ、楽しみにしてまさァ。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


―そして冒頭の部分に戻るのである。


光『じゃあ、開けるわよ。乙葉、一緒に開ける?』

乙葉『うん。』

『『せーの、』』

パカッ


皆がお重の中を覗いてみると、
唐揚げやら煮物やら卵焼きやら、およそ女子高校生2人が作る量ではない量のおかず(とおにぎり)が入っていた。


平助「うわ、すげぇ…これマジで全部2人が作ったのか?」

光『そうよ。』

十四郎「うまそうだな…」

ゴリラ「卵焼きが普通だ…」

妙「あら、近藤さん。何か言った?(黒笑)」

ゴリラ「いえっ!やっぱり卵焼きはお妙さんが作ったものには負けるなぁと思って!」

神楽「タコサマウインナーがアルネ!!」

乙葉『ふあぁ〜、眠いですー。』

千鶴「2人共、何時に起きたんですか?」

光『えーっと、たしか…4時半起きだっけ?』

乙葉『そうだよ、光。』

千姫「え、ちょっと待って。光達の家って学校からすごく近いわよね?」

光『ええ、そうだけど。』

新八「あんたらどんだけ弁当作るのに時間かけてんだァァァァァ!!」

銀八「おいメガネ。いきなりでしゃばってきてつっこむな。」

新八「いや教師が生徒のことメガネって呼んだらだめでしょうがァァァァ!!」

神楽「乙葉。こんなやつらほっといて早くお弁当食べるアル。」

乙葉『そうだね、神楽ちゃん。って、あ!』


乙葉が振り返るとそこでは既におかずの奪い合いが始まっていた。中には、


『あっ、それ私の自信作!』


作った張本人である光の姿もあった。


乙葉『もう光ったら…いいや、私もたべよっと。』




そして、最後にはお重の中には米一粒すら残らなかった。



「じゃあ、せーので」

「「ごちそうさまでした!」」

『『お粗末様でした。』』





おわり。
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