武神と巫女
□四,大人でもゲームのためなら大人げなくなることがある。
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私が真選組の家政婦になってから初めてもらった大きな仕事。それは…
『寒っ…』
弁天堂の新作ゲーム“OWee”を買うことだった。
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三日前。
珍しく山崎さんに声をかけられた。
「守村さん、副長が呼んでます。」
『分かりました。土方さんは今どこに?』
「ああ、そうでしたね。自室にいますよ。場所、分かりますか?」
『大丈夫です。お気遣いありがとうございます、山崎さん。』
そう言って私は山崎さんと別れ、副長室に向かった。
トントンッ
『土方さん、守村です。』
「おお、入れ。」
『失礼します。』
『あの…何かご用ですか?』
「ああ…今日は、お前に頼みたい仕事がある。」
『何でしょう?』
今まで頼み事なんてされたことがなかったから驚いたけど、次に土方さんが言った言葉に、私はさらに驚いた。
「弁天堂の新作ゲーム機“Owee”って知ってるか?」
Owee、って…確か弁天堂から出た新作ゲームのことだよね…?
『はい。興味はないですが…』
「三日後に近くの家電量販店で再発売されんだが…絶対に一台手に入れたい。手伝ってくれ。」
『……。分かりました。』
引き受けたけど、まさか真選組がゲームに執着するなんて考えてもみなかった。
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―そして冒頭に戻るのである。
以前、土方さん達が並んだ時も、色々あって結局買えなかったらしい。
大丈夫なのかな…。
一応念のため、“白巫女”としての私の隠密である李舜に、別の場所で並んでもらうことにした。
今、この列には土方さん、沖田さん、近藤さん、山崎さんが並んでるはずだけど…
さっき万事屋の皆さん+ロン毛の人と白い地球外生物もいた。
…もう絶対なにか起きる。
「“Owee”再発売開始です!!」
そう言われた時―
「「うりゃぁぁぁ!!」」
「「うぉぉぉぉ!!」」
案の定、知り合いの皆様は列を無視しました。
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