武神と巫女
□五,大人だってたまには童心に戻ってゲームに夢中になるんだよ。
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周囲を確認するとチーム・マルシンの皆さんは全員いた。
「これ…とりあえずどうしやすか?」
「いきなりボスの所へ行くには俺達はレベルが足りないですね…」
私の中では、もう作戦は決まっていた。
『とりあえず土方さんと沖田さんは町で待機していて下さい。私と山崎さんは近くのフィールドでレベル上げですね。』
そういうと土方さんは心底不思議そうな顔をした。
「どうして俺と総悟は町で待機なんだ?」
『まず、山崎さんのレベルをLv.10まで上げて、土方さんを守れる体制を作ります。』
「待て。俺は守られる側じゃ…!」
『黙ってて下さい、Lv.1のちんかす。』
こんなこと、土方さん相手に言いたくなかったけど。
でも本当のことだ。
「なっ…!!」
『例え現実では強くてもここはゲームの世界です。Lv.1の土方さんはHPが少なく、一撃でも受ければやられてしまいます。』
「なら総悟といたら余計危ねぇじゃねぇか。」
確かに、いつも土方さんを狙う沖田さんを一緒に居させるのはマズい気もする。
だけど、ここはゲームの世界。
いくらでも解決方法はある。
『大丈夫ですよ。沖田さんには…』
「!!……守りまさァ、土方さん。」
『この通り、束縛の魔法をかけて行きますから。』
ニコッ(黒笑)
「乙葉さん、あんた一体…何者ですか?」
『RPGを少しだけやってた人、ですよ。じゃあ、山崎さん。修行に行きましょう!』
「あ、はい!」
〜〜〜数十分後〜〜〜
『ただいま戻りました!!』
修行という名目での戦闘をくぐり抜け、私達は街に帰ってきた。
「はあっ…つ、疲れた…。」
「おかえりなせェ。」
「…レベル上がったなぁ。」
土方さんは感心していた。
『はい!私はLv.12になりましたし、少し荒い修行をしたので、山崎さんはLv.11になりました。』
「でも、沖田隊長もレベル+1上がってませんか?」
「そうだねィ…マヨ方にからんできたザコ共の相手してたら、いつの間にか上がってやした。」
『…防御の形で戦闘参加してたみたいですから、一応土方さんのレベルもLv.3に上がってますね。』
「あぁ。」
流石はゲーム。
(当たり前だけど)現実とは仕組みが違うからラッキーだ。
『…でも、Lv.3じゃまだザコレベルです。「テメェ…!!」黙ってて下さい。…とりあえず武器をきちんとしたものに変えましょう。お金は結構貯まりましたし。』
そう。今の私達は装備が酷く、土方さんに至っては武器は木の棒だけ、というような状況だった。
「いよいよ本格的に戦うのかィ?」
『武器購入と…休憩をとったら、街を一旦出ましょう。土方さんがLv.9くらいになったら戻ってきて、ボス戦の準備ですかね。』
「へぃ。」
「了解した。」
さあ、これからが本当の冒険。
「だから乙葉さん…アンタ何者ですか?」
『…決してゲーマーではないです。』
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