武神と巫女

□幕間@・戦う者の、
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家政婦となって2週間。
夜、そろそろだと思って待っていると…予想通り、“彼”が来た。


「お久しぶりです、“白巫女”様。」

『もう、そんな敬語とか使わないでよ。…久しぶり、李舜。』


別に敬語を使うような間柄じゃないのに堅苦しく話すから、私はそう言った。


「はい…いや、ああ。で…報告が溜まってるんだが…」


―そう。彼…李舜は白巫女である守村の隠密である。
他の神社の情報を守村にもたらしているのだ。


『そうだよね…。大巫女様からは何か来てるよね?』

「ああ。長いから、って手紙預かってきた。」


李舜が私に手渡したのは分厚い封筒。
…中身読むの大変そう。


『ありがとう。…前の姫巫女が遺した結界の話はしてた?』

「…はっきり言うとかなり弱まってきてる、って言ってたぜ。ああ、それと…」

『?』


李舜が語尾を小さくする時は何か悪い知らせがある時だ。
小さい時から一緒にいたから分かる。




「最近、各地の結界中継地の神社がよく襲われるらしい。」


『!!…“黒巫女”の仕業の可能性は?』

「大巫女様とかは、むしろそうだろうと言ってた。」


“黒巫女”。関わりたくはなかったんだけど…遂に動き出したんだ。




『そう…分かった、ありがとう。』

「乙葉…大丈夫か?その、急に環境とか変わって…」


幼い頃から一緒にいるだけあって、李舜は私のことをいつも心配してくれる。


『うん。もうだいぶ慣れてきたよ。李舜も色んな所に行ってもらってるけど…ごめんね、辛くない?』

「俺は平気だ。…またしばらくしたら来るからな。」

『ええ。いつも御苦労様。』

「ああ。乙葉も大変だとは思うけど、頑張れよ。」

『もちろん。』




〜幕間@ 終〜

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