淡雪と月光

□番外,もしものお正月〜2013版〜
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元旦。

そう、今日は元旦だ。しかし新選組に元旦休日などない。

三番組副組長である私は、斎藤さんをはじめとする三番組の隊士達と巡察に出かけていた。


『寒いですね…でも元日だからでしょうか、人は多いですね。』

「ああ、そうだな。だからこそしっかりと巡察を行わなければならない。気を引き締めて行くぞ。」

『はい。』














巡察は意外にも何もなく終わった。が…
三番組隊士達の様子がどうもおかしい。


『皆さん…どうされたんですか?』


私がそう尋ねると隊士の一人が皆を代表して答えてくれた。


「あの…局長からある頼みごとをされたのです。」

『?』

「頼み事とはなんだ?」


局長から、ということで斎藤さんも気になるらしい。


「獅子藤副組長と斎藤組長をある茶屋に連れていって俺らは屯所に帰ってこい、と…」

『ふーん。』


近藤局長からの頼み事があっさりとしていたから私は少し驚いた。


「…局長の命なら、行くしかないな。では行くぞ。」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



『あれ?ここって…』


三番組隊士達に連れてこられたそこは、新選組(特に監察方)が着替えのためによく利用する茶屋だった。私も既に何度かお世話になっていた。


「なんか茶屋の方が何か知っているそうです!では、俺らは失礼します。」


そこで三番組隊士達は本当に帰り、私と斎藤さんだけになった。


とりあえず私は、茶屋の女将さんに話しかけた。


『こんにちは。』

「あら、こんにちは。獅子藤さんと斎藤さん。今日はなんの御用で?」

「三番組の隊士達から、貴方が局長から何か聞いている、と聞いたのだが…」

「あっ、そうそう!奥のいつもの部屋に近藤さんから預かったものと手紙が置いてあるわよ。どうぞ行って下さい。」

『そうですか…ありがとうございます、女将さん。行きましょう、斎藤組長。』

「ああ。」


この時私は、何か極秘の任務でもあるのかと思っていた。



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