武神と巫女
□八,「ロシアンルーレットは恐ろしいぜ。」
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〜沖田視点〜
あいつ…乙葉があんな策を考えたなんて正直驚いた。
〈『これなら、他の隊士の娯楽にもなりますし、っていうかある意味見せしめですし、一石二鳥ですよね♪』〉
…こう言った時の乙葉の笑顔は、悪魔の微笑みって感じだった。
あいつもたぶん…Sなんだろう。
でなきゃこんな案…絶対考えつかねェ。
ああそうそう。
今俺は土曜の午前中だってのに、ちょうど乙葉の言っだ案゙に付き合わされて食堂にいる。
乙葉によるとこの案に俺は不可欠らしいが…『たまにどす黒い笑みを発していただければ、あとはぼーっとしてて下さって大丈夫です。』って一体どんな役割なんだよオレは。
と、大勢のギャラリーの中からこんな会話が聞こえた。
「なあなあ、真選組最強コンビが…どうしてこれを仕切ってるんだ?」
「解らねぇ…ただ、沖田隊長がたまに笑ってるの…怖ぇーよな。」
「まったくだぜ…。ああ、笑われたくねぇよ。」
…乙葉がオレをこの場にいさせる理由が、なんとなく分かった気がした。
つーかいつからオレらは真選組最強コンビになったんでィ。
『えーと、改めて見ると九人って多いですね…まあ、人が集まった所で、第一回罰ロシアンルーレットを始めさせていただきます。』
おお、始まった。
『今週は、残念ながら九名の隊士さんが軽度ながら局中法度を破りました…。軽度と言っても規則破りには変わりありません。そこで、九名には新しい罰である罰ロシアンルーレットを受けていただきます。』
何もしなくていいとは言われたものの、ずっと喋らすのは気が引けた。
だからオレは、そこで乙葉を押し退けた。
「ルールは簡単、その机にある一口サイズのシュークリームを順番に一個ずつ、一口で食ってくだけでさァ。シュークリームの中身は、天国が普通のカスタードクリーム。」
もう…、とか言いながら乙葉は気を取り直して話し出した。
『地獄は…唐辛子ペースト、ワサビ、そして…』
「マヨネーズでさァ。」
ためようとしてたのが丸分かりだったから、あえて先に言ってやった。
『あ、ちょっと言わないで下さいよ!!』
案の定、乙葉は少し怒ってほっぺたを膨らましてる。
「どっちが言ったって変わんねェですぜ。」
『…とにかく。それぞれ大量に入ってるので、気をつけて下さいね♪もちろん一口で食べないともう一個食べていただきますから!お水は用意してありまーす!では…』
「右の奴から、順番に取りにいって下せェ。」
あ、ちょっと!という声が聞こえたが、そんなの気にしない気にしない。
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