武神と巫女
□番外編1〜未成年にお酒なんて飲ませちゃダメっ!!〜
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そうして宴会用の買い出しを手伝って…今に至る。
はあ…この格好で入っても大丈夫なのかな…。
『し、失礼します。』
カラッ
「「「!!!」」」
…私の格好はいつもの女中服じゃなくて青色の浴衣で。
髪もおだんご結びで簪をしてて。
ついでに少し化粧していた。
『あの、なにか変ですか…?』
皆が黙りこんでしまったのでそう問いかけた。
『(いつも女中服とか巫女の服しか着ないから、思いっきり着方忘れてたけど…大丈夫かな…。)』
すると。
「土方さん…まさか女でも呼んだんですかィ?」
…へ?
何故か沖田さんがそんなことを。
「いや…俺ではねぇ。近藤さんか?」
ええっ??
…もしかして皆、私ってことに気付いてない…?
「いやぁ、前からお妙さんに負けないくらいの別嬪さんだと思っていたが…ここまでくると別人だなぁ…」
そう近藤さんが口を開いた。
「前、から…?」
「じゃあもしかして…」
「「「乙葉!?」」」
ようやく気付いたみたい。
『はいっ。』
皆、私だって全然気が付かないから本当に驚いた。
「ハハハ、まあせっかくの七夕だからと思って、俺が頼んだんだ。酒も注いでくれるよう、お願いしておいたぞ。」
近藤さんが言い終わらないうちに…多くの隊士が声をあげた。
「注いでくれ!」
「俺も!」
「俺もー!!」
『はいはい、もう…今行きますから!!』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それぞれにお酒を注いで、とりあえず一段落ついた時…
沖田さんがちびちびと呑んでいるのが目に入った。
『沖田さん、注がなくて大丈夫ですか?』
「オレは…やっぱ注いで下せェ。」
『はい』
私は近くにあった日本酒の瓶…“鬼嫁”を手に取り、沖田さんの持つおちょこに注いだ。
「ありがとうございやす。」
『いいえ…ところで沖田さんってほんと“鬼嫁”、好きですよね…。』
「これが一番旨いんでさァ。呑みやすかィ?」
『いえ!飲めないですから…って私まだ未成年ですよ!?』
すると沖田さんは軽く笑って、知ってまさァ。と言った。
「冗談でィ。」
なんかこうやって話すのって…すごく楽しい。
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