武神と巫女

□十一、掟は破られるのが定石?
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次の日の夜中もまた、私は土方さんに呼び出されていた。



『どうしたんです?夜中に呼び出しだなんて。仕事の連絡ですか?』

「…………」

『…黙っていられても困ります。』

「……乙葉氏。」


あ、あれ?


『乙葉氏って…氏は余計です。』

「はっ!………乙葉。」

『だから、土方さん何の御用ですか?』


さっきのは…聞き間違えだよね?うん、きっとそう。


「…すまねぇが……頼みがある…」


そこにいたのは…真剣な顔色なんだけど、どことなく弱ってるような土方さんだった。


『…それは、私でないといけないんでしょうか。』

「今の状況だと…そう、だな。」

『私じゃないと、です…か…』


もうさっきから一体どうしちゃったんだろう。

やっぱり何かおかしい。

いつもみたいな…覇気みたいなのが何も無い。


「実はな…」







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜







土方さんに頼まれ事をされた後の午前中。




『どうしたんですか?急に山崎さんから。』


今度は、山崎さんに呼び出された。


「いや、俺は皆の代表なんです。最近副長がどんどんおかしくなってて…」

『?』


長くなった話をまとめると、どうやら土方さんは数々の掟を破っているらしいことが分かった。


会議中に携帯を鳴らしたり、
マガジン以外の漫画を屯所内で読んだり…
果ては拷問部屋で潜入していた攘夷浪士とちゃっかり親睦を深めちゃてるとのこと。


『それはマズいですよね…』

「そうなんですよ。このままじゃ副長…」


土方さんは、局中法度を犯した。
しかも、三度以上。
っていうかそれ以前に、私がいないんだから罰ロシアンルーレット制は無いものとなってる筈だ。


…つまり、土方さんは、このままだと。



『…切腹……。』





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