薔薇の花園
□黒猫
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「土方さん、今日は10月31日ですぜィ。」
10月31日――思い出した、たしかハロウィンだったはずだ。
じゃあ――
「わかったようですねィ。オレがさっきから言ってたのは、お菓子をくれなきゃイタズラする、ってことでィ。」
総悟がニヤリと笑いながら言った。
俺は菓子があるか探したが、あいにく自室の中にはなかった。
自分の顔が青ざめていくのが分かった。
「どうやら持ってないようですねィ…じゃあイタズラ決定♪ってことで、まずコレ飲んでくだせェー。」
と言って小瓶を差し出される。
見るからに怪しい…。
俺は飲むのをためらった。
「飲まねェんだったら…」
「がっ!!(((ゴクリ))」
無理矢理飲まされた。
そのとたん、なんだかムズムズしてきた。
――ボフンッ!!
俺は音に驚いた。
「わっ、何なんだよ一体…」
「ぷっ…ハハハ!!」
「だからなんだよ総悟。」
「ハハハ…いや土方さん、鏡見てくだせェー。」
鏡を見ると
なんとそこには、
黒色の猫耳と
黒色の尻尾を生やした
俺がいた。
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