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□華を愛する
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いつだったか、俺とロビンはいわゆる恋仲となった。
島へ上陸し、街に繰り出した時、偶然ロビンと会った。
何となく女として意識していたので、一瞬ドキッとするが、向こうから手を振って声をかけてきた。
どうせならと、そのまま一緒に昼飯を食べ、本屋に行き、刀匠に行き、広い公園でジュースを飲みながら休んだ。
ロビンとは波長が合うのだろうか、不思議と心が落ち着いた。
そして、目を見張るほどの美しさ。聡明さ。強さ。優しさ。
こんな女に惹かれないわけがない。
「なぁ、お前を俺のものにしたいんだが駄目か?」
ロビンは俺の手を握った。
「私、ずっとあなたの女になりたかったの」
船の上ではあくまでいつもどおり接していたが、うちの船長はなんであんなに鋭いんだ。
ロビンを泣かせないかって?
当たり前ぇだろーが。
あんなにあいつ笑顔じゃねぇか。
連中からはからかわれるかと思ったが、すんなり受け入れられ、祝福される。
照れ臭かったが、お似合いだと言われ、次から次へと酌をされれば悪い気はしねぇ。
本当に、俺はいい女を手に入れた。
見れば目の保養になる。
側にいればほのかな花の香。
落ち着いた話し方に、心に染み渡るような優しい声色。
触れれば柔らかく、熱く、しなやかで滑らか。
何より、俺を男として立ててくれる。
何があっても絶対離さん。
ロビンの全てを守る。
ある日、展望台で鍛練をしていた。
毎日が充実しているので、きつい鍛練も気持ちよくこなしていた。
すると、バン!バン!と勢いよく叩かれる扉とゾロ!ゾロ!と叫ぶウソップの声。
何かあったか?と扉を開けると、焦ったようなウソップの顔。嫌な予感がした。
「ロビンが倒れた!すぐ来い!」
俺は汗も拭かず、保健室へと飛んでいった。
つづく