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□仲間の夢はおれたちの夢
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「恩に着る。ありがとう」
ゾロが頭をさげる。
隣のロビンもそれに倣う。
だからおれは笑って応えた。

「ニシシ!いーよ!」

「いやぁ…びっくりしたな…」
ゾロとロビンが出ていった扉をじっと見ながらウソップが呟いた。
「いつかこういう日が来るってのは予想してたけどな」
フランキーはふんぞり返ってウイスキーをおかわりしてる。
「まぁな。ゾロは独占欲が強そうだしな」
「あの二人、ちょっと似てるでしょ?冷静なくせに猪突猛進で」
ナミはまだちょっと涙声だ。
「野望だの夢だの持つのはいいけど、ああいうタイプはそれにがんじがらめになっちゃうから、早いとこ身を固めた方がいいのよ」
「そりゃ言えるな。どっちも大事にしすぎるあまり、どっちか、いや最悪両方失うことだってある」
「いいきっかけなんじゃないでしょうか。強い覚悟もあるようですし、それにあのお二人意外と頑固ですしね」
ハハハッと笑い声があがる。

「なあ、子どもを育てるのって大変なのか?」
おれが聞くと、一瞬沈黙が走った。
「やっぱ分かってなかったか、この船長」
サンジが苦笑いして、タバコに火をつけた。
「いいか、あの二人が、オレたちの事を思って下船も考えたっていうくらいだ。それ相当の覚悟がいるだろうな。ましてや、命を狙われるお尋ね者だしな。ま、こん中の誰もそんな経験ねぇけど」
ああ、ロビンがそう思うんならそうなんだろう。
ロビンは何でも知ってるからな。

「ふーん。でもゾロとロビンが下船するよりいいだろ?一人仲間が増えるわけだし楽しそうじゃねぇか」
ブルックがおれにぐっと近寄ってきた。
「そりゃルフィさん、楽しいですよ!今から楽しみです!男の子ですかね?それとも女の子?」
「男だったら、絶対剣を教えるだろうな、ゾロのヤツ」
「男ならママを守れ!とか言ってな」
チョッパーとウソップが嬉しそうに笑ってる。

「うわー!言いそう!」
ナミも笑ってる。

「女の子ならデレデレしそうだな」
「気色悪ぃー!そんなマリモ見たくねー!」
フランキーと何だかんだ言ってサンジも笑ってる。

「どっちにしろ、ゾロ似は嫌だな!」
「チョッパー、あんたキツいこと言うわね…」
「ロビンちゃん似の女の子はぜってぇかわいいぞ!オレの嫁さん候補だ!」
「顔はいいけどよ、ブラックなとこ似たらどうするよ」
「おいおい!オレのツッコミっていう仕事が増えちまうぜ!」
「私、怖がられませんかね…」
「あの二人の子どもなら、絶対ないない!むしろケタケタ笑うんじゃない?」

まだ決まったわけじゃねぇって言ってたけど、こんなに全員笑ってんなら、いつか本当にそんな日が来ればいい。
心配なんていらねぇ。
おれたちに任せろ。

「いいか、お前ら」
全員がおれを見る。

「ゾロとロビンのお陰で、この一味に新しい仲間が増えるかもしれねぇんだ。何があってもあの二人を守るぞ」

「「「おーー!!」」」

高々と拳を突き上げる一味。
思いは全員一緒だ。

…あれ?そう言えば…


つづく

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