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□終わることのない幸せ
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昨日は激動の一日だった。
私が倒れたことがきっかけで、妊娠説が持ち上がり、話し合いの場が持たれた。
私とゾロの懸念はどこ吹く風、みんなは喜んで祝福してくれた。

話し合いを終え、ゾロが一晩一緒にいてくれると言うので保健室へ行く。
ベッドに腰を下ろすと、そのままゾロとしばらく抱き合った。
仲間に祝福してもらえた嬉しさ、このままサニーに残れる安心感、何があっても離れないという約束の再確認。
ゾロに抱き締められていると、体を求めたくなってしまうけど、今日はそんな気も湧かない。
ゾロの広くて熱い胸に顔を埋めているだけでも幸せだった。

「よかった…」
「ああ…」
漸く言葉を発しゾロの目を見ると、じっと見つめ返される。
そして吸い寄せられるように唇を合わせる。
何度も。何度も。
軽く触れ合わせたり、深く絡めたり。
愛しさがどんどんこみあげる。
今まで以上に、ゾロに対する愛情が溢れてくるようだ。

「ちとムラッときちまったが、今日はこのまま寝るか。というか、真相が判明するまでは我慢だな」
保健室のベッドは狭いけど、ゾロの腕に抱かれてピッタリとくっついて寝るにはちょうどいい。
ラウンジから、みんなの笑い声が漏れて聞こえてくる。
それだけで嬉しい。
何を話してるのかは分からないけど、笑いが起こるくらいの楽しい会話をしているということだ。
ゾロに頭を撫でられながら目を閉じると、あっという間に寝入ってしまった。

翌朝、目が覚めると、ゾロは私を抱いたままだった。
頬に口づけるとゆっくり目を開け、一呼吸置いて大あくびをしたので笑ってしまった。
おはよう、と言うと、おでこにキスされた。

しばらくまどろみ、揃ってラウンジに行くと、みんなすでに起きていた。
「ロビンちゃんおはよー!今日の君は一段と綺麗だ!」
「おはようサンジ。あなたも素敵よ」
「いやっほぅー!オレ幸せー!」
くるくる回りながらコーヒーの用意をするコックに思わず微笑んでしまう。
みんなから明るい顔でおはよう、と声をかけられ、いつもより気持ちの良い朝だ。
「おはよう、ルフィ」
「おはようロビン!調子はどうだ?」
「ええ、もう大丈夫よ」
「そうか、そりゃ良かった!」
サンジの給仕を手伝おうとしたが、みんなに止められてしまった。
少し歯痒く、照れ臭い。
全員席に着いて食事が始まったところで、次に病院がある島に着いたら二人で病院に行く、とゾロが告げると、うんうんと頷かれる。
「それまで無理しちゃだめよ」
「少し肌寒いからな。あったかくしてるんだぞ!」
食事を終えると少し眠くなったので、女部屋で眠ることにした。

目覚めたとき何が起こるか当然知る由もなく…。

つづく

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