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□ア ・ リ ・ ア
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今が 幸せなら それでいい 。
… そんなの 俺の エゴだけど 。
ア ・ リ ・ ア
大きく息を吸い込めば 胃の中が満たされた 。
このまま 叫びたい 。
叫んで この気持ちを 消せたらいいのに 。
… だけど そんなこと 出来るわけもなく 、
また 深く息を吐くだけ 。
この間から なにかが引っかかっている 。
こう … 胸のあたりで もやっとしたものが 消えない 。
まあ 、 その理由なんて 既にわかっているわけで 。
だからといって そう簡単に 解決しようにも 出来ない 。
だって 自分の恋人に 他の好きな人がいる 、
ってのに そう簡単に 聞けないだろ ?
そもそも 俺は そこまで強くない 。
もう一度 大きく息を吸う 。
冷たくて 新鮮な空気が 胃を満たした 。
… 叫べたら 、 いいのに 。
「 ジェヒョ ヒョン ! 」
静かな空間に 低い声が響いた 。
声がした 後ろを振り向けば 、
愛しい恋人が 駆け寄ってくる 。
「 ジフナ 、 」
ゆっくりと近づいてくる相手の名を呼べば 、
「 探したんだけど 」 と 拗ねたような表情を浮かべる 。
そうすれば この胸のつっかえも いつの間にか消えるんだ 。
それが いつものこと 。
隣に並べば 、 自然と手は繋がった 。
その繋がれた手に ぎゅっと力を込める 。
… もやがない 今なら 聞けるかもしれない 。
このままじゃ 、 駄目なんだ 。
いつかは 聞かないと いけない … 。
いつまでも 逃げんなよ 、 俺 。
何度が 大きく息を吸い 、 吐くを繰り返す 。
「 … な 、 ジフナ ? 」
「 うん ? なに 」
「 お前 、 さ … 俺のこと本当に好きか ? 」
「 … なに急に 、 」
「 答えろよ 、 」
「 好き 、 だよ … 」
ああ 、 もう駄目なのか 。
俺はただ そう思ったんだ 。
俺の問に返された言葉 。
その言葉とは裏腹に 少し口ごもる ジフナ 。
「 … そっか 。 」
「 … … 。 」
ジフナが 本当は誰を思っているかなんて 、
とっくの昔に知っていた 。
なのに俺は ジフナの優しさ … 嘘に甘えた 。
もう … 無理だと わかっているけど 、
お願いだから もう少しだけ 甘えさせて 。
もう少しだけ … 傍にいさせて 。
お前の 「 好き 」 って言葉で 、
俺をもう少しだけ 満たさせて … 。
「 大好きだよ 、 」
呟いた言葉は 静かに宙を舞う 。
そのまま 誰かのもとへ 飛んでいけばいい … 。
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今回は 「 ア・リ・ア 」 をテーマ に … 。
もう 小説名と 曲名 一緒やん ´・ωグスン