長編予定地
□ある飛行術教授の初授業
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クディッチ競技場に赤と緑、もといグリフィンドール生とスリザリン生が集合している。まだ幼さが抜けない一年生だ。
初めての飛行術ということで緊張と興奮が高まっているようだ。気を紛らわせる為か他の授業よりもやかましい。
マクゴナガル教授が此処に居たら、キツい一喝が飛んでいる事だろうね。
しかし、ガヤガヤと落ち着かない競技場にまだ教師の姿はない。
「あーぁ。せっかく箒に乗れるっていうのに、スリザリンと合同なんてね」
「全く同意見だ、ジェームズ」
パッキリと色で別れたグラウンドの赤い集団の中から不満の声がもれている。
周囲の生徒も大半は頷いているようだね。
そんな集団の中、憤っているグリフィンドール生が一人。
最も緑に近い位置にいる赤毛の美少女だ。
「うるさいわよ、ポッター!スリザリンにだっていい人はいるわ!それに、グリフィンドールにだって嫌なヤツはいるじゃない!」
「リリー!そんな所にいたのかい?もっとこっちに来ないと蛇に食べられちゃうじゃないか!ところで、君の嫌なヤツはどこだい?僕がやっつけてあげるよ!」
彼女の辛辣なイヤミはジェームズの嬉しそうな反応から察するに届いていないようだ。このジェームズという男は、多分残念なイケメンなのだろう。
しかし、まだ入学から数日。何故こうも仲が悪いのか。
…一重にジェームズのせいのような気はするけれど。
「な〜にやり合ってんの?って、グリフィンドール同士かよ?」
小さな諍いが勃発した頃、飛行術教授がようやく登場した。
何とも呑気な台詞と共にやって来たロジィは片手に真新しいニンバスを持っている。
「ま、ケンカも程々にな。周りが疲れるからな」
なるほど周囲を見渡せば、ロジィの言うとおり周囲の生徒たちの顔が若干引きつっている。
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